サンフレッチェ広島は、独自のスタイルと一貫した哲学をもとに、多くの若手を育てながら結果を残し続けてきた、日本屈指の育成型クラブだ。とりわけ、2012年の初優勝から4年間で3度のJ1制覇を果たす黄金期を築き、国内屈指の強豪としてその名を刻んでいる。そんなクラブの長い歴史の中で、圧倒的な強さを発揮したシーズンはいつだったのか。当時のフォーメーションとともに紹介する。[5/5ページ]
1994シーズン

サンフレッチェ広島、1994シーズンの基本フォーメーション
監督:森保一
主な獲得タイトル:2ndステージ優勝、年間優勝
1993年にオリジナル10の一員として参戦したサンフレッチェ広島が初めて優勝を果たしたのは、Jリーグ開幕2シーズン目の1stステージである。
イギリス人指揮官スチュワート・バクスター監督のもと、前川和也、森保一、高木琢也ら日本代表選手を揃えたチームは、組織的なサッカーを展開してリーグを席巻。堅実かつ攻守にバランスの取れた戦いぶりで快進撃を見せた。
攻撃陣では、高木琢也が14得点、韓国人ストライカーの盧廷潤が10得点、そしてチェコ人助っ人のチェルニーとハシェックがそれぞれ15得点と19得点を記録している。
特定の選手に依存せず、複数の得点源が機能したことがチームの武器となった。
一方、守備では、ハードワークに定評のある選手が並ぶ鉄壁の4バックに加え、森保一と風間八宏のダブルボランチが中盤のバランスを巧みにコントロール。リーグで3番目に失点が少ない堅守を誇り、警告数も少ないクリーンな守備を実現した。
第16節の鹿島アントラーズ戦では、盧廷潤の2得点で勝利し首位に浮上。その勢いのまま翌節、前年度王者ヴェルディ川崎を4-1で撃破すると、第21節のジュビロ磐田戦で2-1の勝利を収め、シリーズ初優勝を決めた。
しかし、2ndステージではエースの高木が徹底マークを受けるなど、他チームからの研究に遭い4位でフィニッシュ。さらにヴェルディ川崎とのJリーグチャンピオンシップでは2戦合計0-2で敗れ、年間王者の座を逃している。
それでも、4-4-2の組織的なシステムのもとで攻守に安定感を示し、Jリーグ開幕からわずか2年目で初タイトルを手にしたチームは、クラブ史に残る偉大な存在だったと言えるだろう。
●基本フォーメーション
▽GK
河野和正
▽DF
柳本啓成
佐藤康之
上村健一
片野坂知宏
▽MF
風間八宏
森保一
チェルニー
笛真人
▽FW
ハシェック
高木琢也
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