3度のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)優勝を含む国内外の10タイトルを獲得してきたJリーグの名門・浦和レッズ。熱狂的なサポーターの声援を背にJリーグで屈指の強さを誇ってきた同クラブだが、その中で1番強かったシーズンはどの年だろうか。今回は、浦和の歴史の中で特に輝かしい結果を残したシーズンをピックアップして紹介する
——————————
2022/2023シーズン

【写真:Getty Images】
監督:リカルド・ロドリゲス/マチェイ・スコルジャ
主な獲得タイトル:AFCチャンピオンズリーグ優勝
浦和レッズはカップ戦に強いクラブである。
特に、2017年にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を優勝してからは驚異的な強さを見せるようになっていた。
2018年には天皇杯優勝、2019年はACLファイナルまで進出し、2021年も天皇杯を制覇するなど、毎年カップ戦で優勝争いに絡んでいる。
一方で、この期間リーグ戦では優勝争いに加わることは出来ていなかった。
2018年から2021年までの4シーズンの中で最高位は2018シーズンの5位。浦和のような強豪クラブにとって、良い成績とは言えないはずだ。
そんな浦和は2020年に「3年計画」を発表。2022年のリーグ優勝を目標に、長いスパンでチームを変革していく姿勢を見せた。
初年度の2020シーズンこそ得失点差マイナスのリーグ10位という結果に甘んじたが、2021シーズンはキャスパー・ユンカーやアレクサンダー・ショルツといった新外国人選手や江坂任、酒井宏樹といった実力者がチームにフィットし、リーグ戦17試合でクリーンシートを達成。
最終的にリーグ6位という順位に終わったものの、堅守が光るシーズンとなった。
そして迎えた2022シーズン。リカルド・ロドリゲス体制2年目となるシーズンは、開幕前から大きな動きを見せた。
興梠慎三や宇賀神友弥、槙野智章など、これまでチームを支えてきた功労者が相次いでチームを去る決断をした。
それでも、巨大戦力を抱える浦和が、優勝候補のひとつに挙げられていたことは事実だ。
しかし、同クラブは開幕でスタートダッシュに失敗すると、その後も勝ちに見放される試合が続き、最終的にリーグ9位に留まることとなった。
その結果を受け、リカルド・ロドリゲス監督は同シーズン限りでの退任を発表している。
ただ、ロドリゲスはACLのタイトルの可能性をまだ残していた。
グループステージを2位で通過した浦和は、決勝トーナメントの開催地が日本となったことも追い風となり、圧倒的な強さで決勝へと進出。シーズンをまたいだ2023年5月にアル・ヒラルとの決勝戦が行われた。
ファイナル第一戦は浦和に復帰した興梠のゴールもあり、チームは1-1で折り返す。
埼玉スタジアム2002で行われた2ndレグでは、相手のオウンゴールで得た1点を、新加入のマリウス・ホイブラーテンを交えた強力な守備陣で守り切った。
2試合合計2-1により、浦和がクラブ3度目のACL優勝を成し遂げた。
「3年計画」は達成されなかったが、積み上げて来た成果がビッグタイトル獲得という形で実を結んだのである。
▽GK
西川周作
▽DF
酒井宏樹
アレクサンダー・ショルツ
マリウス・ホイブラーテン
明本考浩
▽MF
岩尾憲
伊藤敦樹
小泉佳穂
関根貴大
大久保智明
▽FW
興梠慎三
「またダラダラして…」浦和レッズにのしかかる問題。それでも安居海渡は「正直、まだ優勝が狙える」と言う【コラム】
「正直、自信があるんで」石原広教は今、目の色を変えて…。浦和レッズはクラブW杯を終えて「変化はある」【コラム】
「ここから優勝するためには…」松本泰志が語るタイトル獲得に必要なこと。浦和レッズは残りのシーズンをどう戦う?【コラム】
【了】