30年を超える歴史を振り返ると、Jリーグでは10代にしてトップチームでゴールを挙げた逸材が数多く存在する。代表的なのは、15歳11ヶ月28日でJ1史上最年少ゴールを決めた森本貴幸。東京ヴェルディの超新星が打ち立てた金字塔にはいまだに誰も手が届いていない。今回は、優れたアカデミー出身選手を擁する浦和レッズの最年少ゴール記録をフォーカス。1~5位をランキング形式で紹介する。※データは『Transfermarkt』を参照。[5/5ページ]
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1位:邦本宜裕(くにもと・たかひろ)
【写真:Getty Images】
生年月日:1997年10月8日
大会:第93回 天皇杯 JFA 全日本サッカー選手権大会
ゴール記録日:2013年10月16日
対戦カード:浦和レッズ 2-3 モンテディオ山形
当日の年齢:16歳0ヶ月8日
浦和レッズでクラブ史上最年少ゴール記録を打ち立てたのは、当時ユース所属の高校1年生ながら鮮烈なゴールを決めた邦本宜裕だ。
だが、16歳0ヶ月8日という若さでマークしたこのメモリアル弾が後の波乱万丈なサッカー人生の序幕となろうとは、この時誰も予想できなかっただろう。
福岡県北九州市出身の邦本は、中学に上がるタイミングで埼玉県に移り住んだ。
2013年に浦和からスカウトされてユースに加入すると、早々にポジションを獲得。時折トップチームの練習に参加するほど、邦本の才能は際立っていた。
2013年10月16日、第93回 天皇杯 JFA 全日本サッカー選手権大会・3回戦のモンテディオ山形戦でベンチ入りした邦本に出番が回ってくる。
65分にピッチに立つと、1点ビハインドで迎えた76分に同点ゴールをマーク。チームの勝利には結びつかなかったものの、エスクデロ競飛王が持つクラブ史上最年少ゴール記録を更新した。
そして、現在に至るまでこの記録は破られていない。
だが、翌2014年9月に不祥事を起こしたことで浦和を退団。地元・福岡に拠点を置くアビスパ福岡でプロデビューにこぎつけるも、2017年5月には契約条項に違反する秩序風紀を乱す行為があったとして契約を解除されてしまう。
その後、邦本は全北現代モータース(韓国)へ加入。クラブ史上初のリーグ5連覇に貢献した。
しかし、2022年7月には酒気帯び運転の疑いで警察に摘発され、キャリア2度目の契約解除を言い渡された。
栄光と挫折を味わった男は現在、遼寧鉄人足球俱楽部(中国)で自らのサッカー人生を取り戻すべく奮闘している。
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