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J2 2週間前

角昂志郎は「楽しめてる」。ジュビロ磐田での立場が良い刺激に。「正直、成長した部分かな」【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸 photo by Getty Images

 明治安田J2リーグ第37節が23日に各地で行われ、ジュビロ磐田はホームでモンテディオ山形と対戦した。試合は磐田のベテランDFヤン・ファンデンベルフによる終了間際の劇的弾により、2-2の引き分けに終わった。同選手がゲーム後に語ったのは、角昂志郎をはじめとする“ゲームチェンジャー”の存在だった。(取材・文:河治良幸)[2/2ページ]
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「本当に素晴らしいチームだと」

「ゲームチェンジャーたちが本当に、スタメンと同じように戦ってくれる…。もちろん、彼らのクオリティもスタメンと変わらないものを持ってますけど、そこの気持ちをピッチに持ち込んでくれる。

 そういう姿勢で戦ってくれるというのは今まで、自分の経験でも無かったので。本当に素晴らしいチームだと思います」

 この“ゲームチェンジャー”という言葉はまさしく交代選手の一人である角に当てはまる。

 ここ3試合、磐田は3-5-2というシステムで戦っているが、中盤はボランチを本職とする上原、金子、アンカーの中村駿が並ぶ構成となっており、守備範囲の広さがチームのベースとなっている。

 上原に代わり投入される角には守備面で、あまり慣れないボランチ的なタスクが課せられているのだ。

 それをこなしながら、攻撃で角ならではの違いを生み出す。それは並大抵のことではない。

「スタメンから出た選手が、とにかく100%でやってくれて。うまく行く行かないはありますけど、100%でやってくれることで、自分たちはすごくやりやすい状態で入れてますし、自分たちの良さも生きている」

 角はこう続ける。

「楽しめてるのが、自分の中で一番いいことかな」

「シャドーというよりはボランチに近いポジションで、今までやったことなかったですけど、まず守備をちゃんとやってから、自分の攻撃での良さを出すというのはうまくやれてるかなと思います」

 山形戦は井上、川﨑と一緒に“3枚替え”で投入された。この一戦に限らず、スタメンの選手からバトンを受け取る形で、残りの時間で自分のフルパワーを出し切るという意識を強く持って、ピッチに出ているようだ。

「チームが苦しい状況こそ、自分の価値を発揮できると思うので。そこでゲームチェンジャーみたいな立場はすごく、良い刺激になってるかなと思います」

 そう言ってやりがいを主張する角も当然、スタメンとして活躍したい思いはある。だが、今はどういう形でも勝ち点を掴み取って、昇格への希望を繋げていくべき状況だ。

 そして迎える最終節のサガン鳥栖戦。現在7位の磐田が昇格プレーオフに食い込むには勝利が絶対条件で、その前提で5位のRB大宮アルディージャと6位のベガルタ仙台の結果次第となる。

「幼い頃から世代別の代表だったり、大学サッカーも経験してきているので、そこまでプレッシャーには感じないですし、だからこそ、その場を楽しんで…楽しめてるのが、自分の中で一番いいことかなと思います。

 今日はアシストという形で少しはゲームに貢献できたので。次は得点だったり、そういう気持ちを前面に出して、自分がチームを最後、勝たせられるように頑張っていきたい」

 特別指定だった昨年は大学の事情もあり、なかなかチームに貢献できない中で最終節にJ2降格が決まった。

 プロ1年目で充実したシーズンを過ごしてきた角だが、ここで大きな仕事をやってのけて、チームをプレーオフに導くことができるか。

(取材・文:河治良幸)

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【了】
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