J1昇格プレーオフ準決勝、ジェフユナイテッド千葉対RB大宮アルディージャが7日に行われた。下剋上を目指した大宮は、一時3-0とするも、その後3-4と大逆転を許し、J1昇格の可能性を失った。市原吏音は、キャプテンとしてこの結果をどう受け止めているのか。試合後に口にした偽らざる思いとは。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
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「ジェフの方が上に行くにふさわしいチームだと」
「本当は倒れたかったし、泣きそうになりましたけど、左上に(マークを)巻いているし、自分がここで倒れたらよくないなと思ったので、そこは堪えた。ピッチの上だけでは絶対に泣きたくないなと思いました」
気丈にこう語った市原。それが若きキャプテンの矜持なのだろう。
今季の彼はチームを最高峰リーグに昇格させるという使命感や責任感を抱きながら、1シーズンを戦い抜いてきた。その信念を最後の最後まで彼なりに貫きたかったのではないか。
「交代を含めて自分らにはスキがあったし、J1にふさわしくないんだろうなと。結果が全ての世界なので、ジェフの方が上に行くにふさわしいチームだと思いました。
今季は本当にあれだけ苦しい状況の中でミヤさんが来てくれて、結果も出して引っ張ってくれた。にも関わらず、3-0から3-4にされるっていうのは自分ら選手の問題だと思う。
『責任は俺が取る』っていうことをよく監督が口にされますけど、結局は選手がやるもの。僕自身として大きな責任を感じています。ただ、今は振り返ることもできずに、ただただ悔しい気持ちでいっぱいです」
メディアの前でしっかりと偽らざる思いを口にした市原。これから日本を代表するDFに成長するためにも、こういった衝撃的敗戦の経験を糧にしなければならない。
本人ももちろんここで立ち止まっているつもりはない。来季も大宮に残留するかはわからないが、貪欲に高い領域を目指し続けるしかないのだ。
「これ以上のプレッシャーがかかる試合もこれから来ると思うし、世界を相手にして戦っていきたいのなら、こういう状況でもまとめ上げるリーダーシップも必要。1人で打開できるような、流れを変えられるようなプレーヤーにならなきゃいけないなと思ってます」
市原にはその言葉通りの選手になってほしいところ。この一戦は残念でならなかったが、彼にも宮沢監督にも大宮にも未来はある。
次こそは目標達成できるように再起を図ること。それが全てだ。
(取材・文:元川悦子)
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