J1昇格プレーオフ・準決勝が7日に行われ、ジュビロ磐田は徳島ヴォルティスと対戦した。明治安田J2リーグの最終順位で相手に劣る磐田は、勝利が絶対条件だった。先制点を奪ったが、踏ん張り切れず1-1のドロー決着。試合後には、この日スタメン起用された井上潮音が涙する場面があった。(取材・文:河治良幸)[2/2ページ]
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「今は来て良かったと思うし、すごく充実した半年間だった」
「後ろの安定感というのはありましたし、シーズン通して戦う上で、そこは外せない部分かなと。序盤のジュビロには無かった部分でもあると思うし、強度だったり、ベースの部分というのは、J2で勝ち抜くためにも絶対に必要だと思います」
結果を突き詰めれば、磐田ができなかったことを徳島がやってきたことが、差になったとも言える。
7月に加入して、すぐに足首の怪我に苦しむなど、恩師を十分に助けることができなかった。タラレバを探せばいくらでもあるかもしれないが、プロは結果が全ての世界だ。
そのことを井上は受け入れる度量があり、だからこそ前に進んでもいける。“球際、切り替え、ハードワーク”。世間から見たら当たり前と言うようなことを安間監督のもと、磐田の選手たちは愚直に取り組んできた。
しかし、本来の磐田が出すべきは、そうした当たり前のことをやった上で突き抜けていくスペシャリティだ。
「J1に昇格して、J1で上をめざすチームになるにはその部分が必要だと思います。ただ、そこを持ってる選手は多くいるので。ベースの部分をチームで作りながら個人の特長を出す。そのポテンシャルのあるチームだと思っている」
半年で広島を出ることに「抵抗はありました」と認めた井上だが、J1昇格という目標が絶たれてもなお「今は来て良かったと思うし、すごく充実した半年間だった」と主張する。
井上のポテンシャルを知るファンなら、J2で燻っていて良い選手でないことは明らかだ。貸し出し元である広島や磐田の方針もあるが、自分の未来を決めていくのは井上自身。今後の去就に関してはあえて聞かなかった。
「日々の練習だったり、いろんな時間の使い方を大切にして、これからも選手として成長していきたい」と語る井上が、どういう未来を描いていくのか。楽しみに見守りたい。
(取材・文:河治良幸)
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