フットボールチャンネル

J1 2週間前

「声だけで解決できることもある」新WB・山根永遠の喋りがファジアーノ岡山に変化をもたらす。ピッチサイドから見えた光景は…【コラム】

シリーズ:コラム text by 難波拓未 photo by Getty Images,takumi namba
ファジアーノ岡山の宮崎キャンプにて、鹿島アントラーズとのトレーニングマッチでプレーする新加入の山根永遠

ファジアーノ岡山の宮崎キャンプにて、トレーニングマッチでプレーする新加入の山根永遠【写真:難波拓未】



 ファジアーノ岡山は来月開幕の明治安田J1百年構想リーグに向けて、1月14日から宮崎県でキャンプを行っている。昇格1年目の昨季を13位で終えた岡山だが、今季はどんな戦いを見せてくれるのだろうか。前年王者・鹿島アントラーズとのトレーニングマッチで印象的だったのが新加入・山根永遠の声。そこにはピッチサイド取材ならではの気づきがあった。(取材・文:難波拓未)[2/2ページ]

自身の特徴を発揮しても、山根永遠に笑顔がなかった理由。「いろいろな責任とか…」

ファジアーノ岡山の宮崎キャンプにて、鹿島アントラーズとのトレーニングマッチでプレーする新加入の山根永遠

ファジアーノ岡山の宮崎キャンプにて、鹿島アントラーズとのトレーニングマッチでプレーする新加入の山根永遠【写真:難波拓未】

 昨年に味わったが、J1はプランAだけで簡単に勝てるリーグではない。自分たちが用意してきたものに対応された後、ピッチに立つ選手たちで微調整しながら勝機を見出すことが必要になる。

 あるいは、自分たちが想定していたものとは違うサッカーを相手が展開してきた時には、それらに素早く適応して対応しなければならない。それにはベンチからのコーチングスタッフの意見を待つだけでは不十分であることは明白で、選手たちの自己解決力が求められる。

 そのためには感じたことを言葉でチームメイトに伝えられる発信力が不可欠だ。木山隆之監督も「外(サイド)は1番いろいろなものが見える。そういうものを伝えながらやれるのは悪くない」と口にした。

 今年初めてのJクラブとのトレーニングマッチで、チームとしても個人としてもしっかりとプレーできた。主力選手で構成した90分では0-0と、昨年王者を相手に堅実な戦いができた。
 
 だが、山根の表情に笑みはなかった。今回の移籍が大きな覚悟を持って決断したものだったから、まだまだ満足の出来ではないのだろう。



「(横浜FCがJ2に)降格してしまって、いろいろな責任とか、次の今シーズンのこととかも考えて、横浜FCとも話し合った結果、気持ちよく送り出してもらった。まだ上を目指せる年齢でもあるし、『上のリーグでやって自分の価値を示してこい』とも言われました。

 (横浜FCにいた)自分たちが悔しい思いをしながらも、岡山というチームが昨年、躍進しているところを横目に見ていて、自分もその一員になれるところに魅力もあった。木山さんのサッカーが自分にも合うんじゃないのかなとも思っていたので、オファーが来た時にはまず素直に嬉しかった。自分の未来を含め、いろいろなことを考えながら良い決断ができたと思います」

 明治安田Jリーグ百年構想リーグまであと約2週間となり、2月1日までの宮崎キャンプではあと2試合のトレーニングマッチが予定されている。

「もっともっと自分のプレーを出したり、まだまだ味方と合わせないといけないところもいっぱいあるんで、そういったところをすり合わせたり。全部が全部仕掛けるタイプでもないんで、周りと連携しながらサッカーができたらなと。少しずつコンディションも上げていけたらなって思います」

 新たにやってきた背番号88。走力とコミュニケーション力で、岡山の右サイドにダイナミズムと協調性をプラスしていく。

(取材・文:難波拓未)

【著者プロフィール】難波拓未
2000年4月14日生まれ。岡山県岡山市出身。8歳の時に当時JFLのファジアーノ岡山に憧れて応援するようになり、高校3年生からサッカーメディアの仕事を志すなか、大学在学中の2022年にファジアーノ岡山の取材と撮影を開始。2024年からは同クラブのマッチデープログラムを担当し、サッカーのこだわりを1mm単位で掘り下げるメディア「イチミリ」の運営と編集を務める。(株)ウニベルサーレ所属。

【関連記事】
ファジアーノ岡山 移籍情報2026 サッカーJリーグ 加入/退団/引退/昇格
ルカオはなぜ子どもの心を掴むのか? ファジアーノ岡山の「心優しき重戦車」のルーツは「悲しかった」少年時代の記憶【コラム】
「孤高のイメージだった」江坂任、ファジアーノ岡山で「グサッと言うけど嫌味じゃない」。常に険しかった表情がほどけたワケ【コラム】

【了】
1 2

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!