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“22歳の決断”。なぜ鈴木章斗はサンフレッチェ広島を選んだのか。「頼りになる存在」へ近づくために必要なものとは【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Etsuko Motokawa,Getty Images

サンフレッチェ広島、鈴木章斗
サンフレッチェ広島の鈴木章斗【写真:元川悦子】



 毎シーズン優勝争いを演じながらも、ミヒャエル・スキッベ監督体制では頂点に届かなかったサンフレッチェ広島。その壁を打ち破る存在として迎え入れられたのが、22歳のストライカー・鈴木章斗だ。得点源としての役割を背負い、日本代表という目標を胸に秘めながら、鈴木は広島で新たな挑戦を始めている。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
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「まずは信頼してもらうことが…」

湘南ベルマーレ、鈴木章斗
サンフレッチェ広島戦でプレーする鈴木章斗【写真:Getty Images】

「そこに磨きをかけられると思って広島に来ましたし、動き出しやタイミングを含めてすり合わせていかないといけない」とも話していたが、その課題を克服しようと今は躍起になっている様子。2月6日の百年構想リーグ開幕戦、V・ファーレン長崎戦に向け、少しでも前進が見られれば理想的だ。

 1トップのポジションに関しては目下、木下康介が負傷離脱中。鈴木とジャーメインが入れ替わりで入っている模様だが、ジャーメインは昨季も2シャドウの一角でプレーした時の方が輝いていた。

 鈴木とジャーメインを併用した方が攻撃の爆発力も高まるため、おそらく鈴木が大黒柱として攻撃陣を引っ張ることになりそうだ。

「競争はすごく激しいものだと思っていますけど、そこに負けないようにしっかりやりたい。練習からゴールという結果でアピールできれば、周りからも頼りになる存在だと見てもらえる。



 まずは信頼してもらうことが今の自分にとって一番必要なこと。そうなるようにしっかり取り組んでいきます」と彼は目を輝かせた。

 2026年北中米ワールドカップ(W杯)まであと5カ月というタイミングだけに、次の大舞台は難しいかもしれないが、夏以降は新たなチームが発足する。22歳の鈴木としてはそこを貪欲に狙っていくべきだ。

 昨季まで湘南で共闘していた同期の盟友・鈴木淳之介が短期間で代表のコアグループに入り込んだのだから、彼にもできないことはないはずだ。

「彼みたいな選手がああいうふうに…」

サンフレッチェ広島、鈴木章斗

サンフレッチェ広島のバルトシュ・ガウル監督(左)と鈴木章斗(右)【写真:元川悦子】

「淳之介の存在は自分にとってもすごく大きかったですね。もともと持ってるものはすごかったし、『やっぱり彼みたいな選手がああいうふうに代表に入っていくんだな』と強く感じた。

 同い年で一緒にやってきたんで、自分も可能性があるなと思えましたし、だからこそ、百年構想リーグで自分にできる力を100%出し切るしかない。そう考えています」

 新天地でもう一段階、進化を遂げようと誓った鈴木。その一挙手一投足を湘南時代の恩師・山口智監督(現U-19日本代表監督)も期待を込めて見守っているに違いない。



「智さんはメンタル面や考え方を含めて、本当に自分のよさを引き出してくれた監督。全てが一回り二回り変わったし、成長させてもらったなという感謝があります。

 今のガウル監督は自分にとって初めての外国人監督。今後を見据えたうえで、必ず外国人監督の下でプレーする経験は必要。いい刺激を受けつつ、積極的にチャレンジしていきたいと思います」

 ドイツ流のアプローチで際限ないポテンシャルを秘めた万能型ストライカーがどんな変貌を遂げるのか。今年は鈴木の動向から目が離せない。

(取材・文:元川悦子)

【著者プロフィール:元川悦子】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。

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【了】

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