2025シーズンのJ1で7位に終わった浦和レッズ。今季もマチェイ・スコルジャ監督が指揮を執り、まずは明治安田J1百年構想リーグでタイトルを目指す。そこに向けて、1月7日~24日までには、沖縄キャンプを実施。その中で、チームとしての課題や手ごたえが見えてきた。浦和はどう変わるのか。レポートする。(取材・文:河治良幸)[1/2ページ]
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「去年より考えることは多いですね」
明治安田J1百年構想リーグは浦和レッズにとって、単なる26/27シーズンへの準備期間ではない。
この大会の優勝タイトルを掴むことはすなわち、次のAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)への最後の切符を獲得することに他ならないからだ。
足掛け4年目となるマチェイ・スコルジャとしても、勝負のシーズンになるが、これまでの保守的なイメージから良い意味で殻を破るべく、キャンプから意欲的なチャレンジをしてきた。
「去年より考えることは多いですね」
右サイドバックの石原広教は語った。
ビルドアップでは内側のレーンに入り、守備では高い位置からのマンツーマン気味のハイプレスにどう噛み合うかを常に判断し、守備のエリアや状況に応じて、コンパクトなブロックに切り替える。
サイドバックの選手も単純な上下動ではなく、構造を理解した上での選択が求められているのだ。
ビルドアップにおける“偽サイドバック化”に関しては昨年までも全く見られなかった訳ではないが、よりチームの仕組みとして落とし込みたい意図は見て取れる。
石原も「今年はより一層、立ち位置を確認しながらやらないといけない」と話す。
攻撃の再現性という課題はこれまで選手からも指摘されてきたが、個人任せではなく、チームとして共有する領域を増やすことが、攻撃面のアップデートに繋がるはずだ。
選手たちが口を揃えた手ごたえとは?
もっともスコルジャ監督がバランス型の指揮官であることに変わりはない。
相手次第ではマンツーマン気味のハイプレスを脇に置いて、ミドルブロックで構えたところからプレッシャーをかけていく、従来通りの守備で臨むことになりそうだ。
それでもキャンプの意識づけによって、より相手陣内でサッカーをしようという浦和の戦いを1つ前に押し進めるベースになることが期待される。
そのためには最終ラインの臨機応変な判断と中盤や前線へのコーチングが生命線になる。
実際、キャンプでも最初のトレーニングマッチでは守備陣の意識が揃わないシーンが多く、声掛けに統一感が無かった。
そこから練習と試合を重ねることで、守備の目がだいぶ揃ってきた印象があり、選手たちもその手応えを口にする。キャンプ中も怪我やコンディションの影響により、これまでの主力と見られる選手が誰かしらいない状況が続いた。
ただ、結果的に戦術練習や紅白戦などから、メンバーが固定化しなかったことを前向きに捉えることもできる。
そうした中でも、京都サンガF.C.での期限付き移籍を終えて浦和に復帰した宮本優太が、非常に頼もしい存在になってきている。
「そう簡単なリーグでもないと僕は思っている」
右サイドバックとセンターバック(CB)の両ポジションをこなすが、ここまではCBでほぼ固定され、持ち前のラインコントロールと積極的なコーチングで、存在感を際立たせている。
「いろんな試合を通して、徐々にいろんなことを話すきっかけが増えていく。みんな一歩ずつ進んでいる感覚をちゃんと持っているのかなと思います」
宮本はこう話す。一人ひとりのリーダーシップ不足という、外から見ることで感じた浦和の課題をチームの中から変えていく意欲に満ち溢れている。
「そこはみんなポジティブにトライしてくれていると思う。ただ、それがうまくいかなかった時に、それを続けられるか。地道なことをコツコツやれるかっていうのは、実戦にならないと分からない。
スタートダッシュがうまくいけばいいですけど、そう簡単なリーグでもないと僕は思っているので。そこはしっかり自分たちを見つめ直せるのかとかが、監督も選手も問題になってくると思いますし、残り少ないですけど、積み上げていけたら」
そうした宮本の頼もしさが目立つ一方で、若手の勢いも見逃せない。開幕戦の出場チャンスに向けて、新戦力のアピールが目立ったこともポジティブな情報だ。
大卒ルーキーのFW肥田野蓮治は昨シーズンの終盤、特別指定選手としてファジアーノ岡山戦でデビュー。衝撃的なゴールを決めて、周囲を驚かせた。
その岡山戦は右サイドだったが、キャンプではFWのポジションに入ることが多く、1トップとして渡邊凌磨や中島翔哉と縦の関係を作ることもあれば、松尾佑介と2トップのような関係になることもあった。



