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J1 2か月前

ジェフ千葉はまだJ1のメンタルにない。若原智哉が口にした危機感と後悔。「こんな試合をしていたら…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 石田達也 フリーライター photo by Getty Images
若原智哉 ジェフ千葉
ジェフユナイテッド千葉でプレーする若原智哉【写真:Getty Images】



 蹴春到来を告げる『ちばぎんカップ』が、1月31日に三協フロンテア柏スタジアムで行われた。守護神・若原智哉がビッグセーブを連発し、チームを助ける活躍を見せるも、ジェフユナイテッド千葉は柏レイソルに1-2で敗れた。チームとして現実を突き付けられた点差以上の完敗。新シーズン開幕を1週間後に控え、どう立て直し、どう立ち向かっていくのか。(取材・文:石田達也)[1/2ページ]
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「完敗です。以上です」

河野貴志 細谷真大
競り合う細谷真大と河野貴志【写真:Getty Images】

 2026年も『ちばぎんカップ』からシーズンの幕が開ける。

 1995年3月5日に市原臨海競技場(現ゼットエーオリプリスタジアム)にて初開催され、今回で30回目を迎える伝統あるプレシーズンマッチだ。また、ジェフユナイテッド千葉がJ1の舞台に戻ったことで、17年ぶりに同一カテゴリーチームでの戦いが実現した。

 両チームとも1週間後に控えた新シーズン開幕戦に向け勢いを付けたいところだったが、千葉は、昨シーズンのJ1リーグで2位の躍進を果たした柏レイソルに厳しい現実を突き付けられる結果となった。

 小林慶行監督は「完敗です。以上です」と試合後の会見で敗戦を受け止める。そして「前半のところで言えば、一番やってはいけないゲームをしたなと思っています」と付け加えた。



 前半は、ほぼハーフコートゲーム。柏の15本のシュートに対し、千葉は1本もシュートを放つことができなかった。

 柏がボールを保持し、千葉がブロックを構える時間が続くなか、11分に試合が動く。

 MF中川敦瑛の強烈な右足ミドルがDF久保庭良太に当たると、リフレクトしたボールは横っ飛びしたGK若原智哉の両手をすり抜けてゴールネットを揺らす。

 その後も流動的にポジションを変えながら前進する柏に対し、千葉はずるずるとディフェンスラインが下がり間延びする。セカンドボールを拾えず、攻守の切り替えでも後手を踏むことで押し込まれるシーンが続いた。

「基本全部がゴールの枠に来る」若原智哉が語るJ1仕様のメンタリティ

若原智哉 ジェフ千葉
昨季シーズン中もチームを支え続けた若原智哉【写真:Getty Images】

 流れが悪い中で、千葉の守護神が存在感を見せた。

 29分にはパスミスからMF久保藤次郎に独走を許し、ピンチを迎えたが若原が防ぐ。直後の36分にも、MF小見洋太のカットインからのシュートをファインセーブ。さらに40分にはミドルシュートをブロックすると、その後の久保の近距離シュートも止めた。

「J1の選手は、基本全部がゴールの枠に来ると思っているので反応しようと。僕がJ1でプレー(2022~23シーズン)した時も、そのメンタリティーでした。

 あとはDFがどっちにコースを切っているかでポジションを変えていたので、それがうまくハマったと思います」



 相手の決定力不足にも助けられたが、若原の好セービングがなければ一方的な展開となり前半で試合は終わっていたと言っても過言ではない。

 若原は、昨シーズンに京都サンガF.C.から完全移籍で加入すると沖縄キャンプ中に負傷。右膝外側半月板損傷で手術を受け、全治約5カ月の診断を受けた。

 リハビリに多くの時間を要したが、10月の第32節長崎戦から復活。J1昇格プレーオフ準決勝・決勝でもゴールを守り、千葉の昇格に貢献した。

 シュートストップとビルドアップでチームを支え、勝敗を決める強いメンタリティーとリーダーシップをシーズン中に何度も見せた。新シーズンも引き続き、チームをけん引する覚悟だ。

腰が引けていた『ちばぎんカップ』

リカルド・ロドリゲス監督 柏レイソル
柏レイソルを率いるリカルド・ロドリゲス監督【写真:Getty Images】

「今日は受け身になるシーンが多かった。ずっと攻められているというか、自分たちがラインを上げて前線からプレスをかけることができれば相手のミスをもっと誘えたシーンもあったと思いますが、でも何とか0-1で折り返せたことは良かったと思います」

 千葉は1点を追いかけMF小林祐介、MF姫野誠、そしてFW呉屋大翔、MF猪狩祐真、MF岩井琢朗らを次々に投入すると、60分過ぎから変化が生まれる。

「前から行く」という意思を統一し、前線からプレスをかけ全体をコンパクトにする。セカンドボールへの反応や球際での強度で柏を上回りペースを掴んだ。

 66分、猪狩のクロスをFW石川大地が体を反転させながらヘディングで狙って同点に追い付く。



 反撃に出る千葉のフィニッシュシーンも増え始め、後半も若原のセーブで失点を防ぐ場面もあったが、83分にカットインした久保に左足で勝ち越し弾をねじ込まれ、1-2で敗戦を喫した。

『ちばぎんカップ』の通算成績は千葉の11勝、柏の19勝となった。

 スコアは1点差ながらも試合内容では圧倒された。相手をリスペクトしすぎた、腰が引けた、気弱になりすぎた…。

 言い方はいくつもあるが、試合の入りから“前から行く”自分たちのスタイルを表現できずにいたことがとても悔やまれる。

 若原は偽らざる思いを口にする。

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