フットボールチャンネル

J1 7時間前

「今年はやりますよ。期待してください」鹿島アントラーズ、濃野公人は目の色を変える。「昨年とは全く違う気持ち」の正体とは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by 三原充史(Atsushi Mihara), Getty Images
鹿島アントラーズ所属DF濃野公人
鹿島アントラーズ所属DF濃野公人【写真:Getty Images】



 明治安田J1百年構想リーグの第1節が7日に各地で開催され、鹿島アントラーズはアウェイでFC東京と対戦した。鹿島は昨シーズン王者として順調な滑り出しを期待したが、結果は90分で1-1、PK戦の末に5-4で敗れた。シーズン初戦を足踏みでスタートしたものの、昨季の雪辱に燃える濃野公人は人一倍の闘争心を持っていた。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]
——————————

「それは昨年とは全く違う気持ちですね」

鹿島アントラーズDF濃野公人
試合に向かう濃野公人【写真:Getty Images】

 2025年のJ1で9年ぶりのタイトルを手にし、ディフェンディングチャンピオンとして明治安田J1百年構想リーグに参戦する鹿島アントラーズ。7日の開幕節は敵地・味の素スタジアムでのFC東京戦だ。

 昨季J1では2戦2勝だったが、今年のFC東京は松橋力蔵監督体制2年目。アルビレックス新潟時代の教え子である稲村隼翔らを獲得するなど戦力的にも充実している。

 ファジアーノ岡山での武者修行を終えて1年ぶりに復帰した19歳・佐藤龍之介をベンチスタートにできるほどの潤沢な陣容で挑んできたのだ。

 これに対し、鹿島は昨季終盤とほぼ同じスタメン。それでも、早川友基が「今年は自分たちがよりゲームを支配して、ボールを持ちながら、いかにして相手を揺さぶりながら嫌がることをやっていくか。それをテーマに宮崎キャンプから取り組んできました」と話すように、鬼木達監督のカラーをより強く押し出そうと取り組んでいる。



 となれば、1人1人に求められるタスクにも変化が生じる。

 右サイドバック(SB)の濃野公人も「自分がゲームを作りたいと思うようになった。それは昨年とは全く違う気持ちですね」とプレーの幅を広げるべく、意気込んでいる。

 濃野は大卒1年目だった2024年の9ゴールに象徴される通り、積極果敢に前へ突き進み、得点を狙っていくスタイルがウリだが、それだけでは右SBとして物足りないと感じているのだろう。

「僕が賢くやらないといけない」

荒木遼太郎 鹿島アントラーズ
FC東京戦でプレーする荒木遼太郎【写真:三原充史(Atsushi Mihara)】

 現代サッカーではSBが組み立てやビルドアップに参加し、試合全体をコントロールする場面もかなり多くなっている。彼もより多彩な仕事ができる選手になりたいと考えているはずだ。

 こうした意識が試合開始から色濃く出ていた。前半の鹿島は荒木遼太郎が右MFに陣取り、彼が中寄りのポジションを取る時間帯が長かったため、濃野の前に大きなスペースが空いていた。

 そこで彼が自らの推進力を生かしながら攻め上がるシーンもあれば、知念慶が侵入し、それを濃野がサポートするシーンもあった。頭を使いながらゲームがうまく流れるように仕向けていたのは間違いない。



「昨年はリュウ(小池龍太)君のような賢い選手が前にいて、攻守のバランスを取ってくれましたけど、タロウ(荒木)は攻撃が持ち味の選手。スペースが空く分、守備も含めて僕が賢くやらないといけないと思っていた」と背番号22は言う。

 その一方で守備負担も大きかった。前半はスピードに秀でる遠藤渓太が対面にいて、左SBの長友佑都も積極果敢にオーバーラップを仕掛けてきたからだ。

「遠藤さんのようにスピードあるアタッカー、長友さんのように誰もが知っている選手とマッチアップできるのはいい機会。長友さん相手でも攻守両面においてやらせないことを心がけましたけど、自信につながったところは少なからずありました」と本人も言う。

大卒ルーキーをサポートするのも「僕の役目」

PK戦に臨む鹿島アントラーズの選手たち
PK戦に臨む鹿島アントラーズの選手たち【写真:Getty Images】

 前半の鹿島はなかなか決定機を作れなかったが、守りの方は高度な意思統一を保っていた。

 そのまま後半に突入できればよかったが、41分に三竿健斗がマルセロ・ヒアンにボールを奪われ、それを取り返そうとして一発退場。数的不利の戦いを強いられてしまう。

 直後に遠藤渓太の直接FK弾を浴び、嫌な空気も漂ったが、前半終了間際に何とかリスタートからキム・テヒョンのゴールで同点に追いつき、1−1で後半を迎えることになった。

 そうなると、濃野はより一層、守りに集中しなければいけなくなる。前に陣取る選手がエウベルから大卒新人の林晴己へと代わる中、彼らを確実に統率してスキを作らないように仕向けることが重要だった。



「晴己が入ってからは、しっかり帰陣してから出ていくように後ろからコミュニケーションを取りました。彼はルーキーだし、周りを気にすることなくどんどん自分のよさを出してほしい。それをカバーするのも僕の役目だと思いながらやりました」と濃野はプロ3年目の自覚も抱きつつ、後輩をサポートしたという。

 そこからFC東京は佐藤龍之介、橋本健人といった攻撃的な面々を次々と投入。凄まじい勢いでサイドを攻略してきたが、濃野は穴を作らなかった。

 彼が“キーマン封じ”に奮闘したこともあり、鹿島は攻め込まれながらも1−1で90分を終了。特別大会のルール通り、PK戦へともつれ込むことになった。

1 2

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!