
浦和レッズに所属する宮本優太【写真:Getty Images】
明治安田J1百年構想リーグ第1節が7日に行われ、浦和レッズはジェフユナイテッド千葉と対戦し、2-0で勝利した。アウェイでの開幕戦、そして6年ぶりの白星。だが、この一戦を特別なものにしたのは結果よりも内容だった。押し込まれる時間帯でも崩れなかった最終ライン。その背後には、宮本優太を軸にした細やかなコミュニケーションと、状況を読む力が確かに息づいていた。(取材・文:河治良幸)[1/2ページ]
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「やっと帰ってこられたなって…」

京都サンガF.C.時代の宮本優太【写真:Getty Images】
浦和レッズが示した2-0というスコア以上に、百年構想リーグの幕開けにおける勝利の意味は大きい。
最終ラインの中央で90分間ピッチに立ち続けた宮本優太は試合前の状況を次のように振り返る。
「まずはアップで出て行った時にファンサポーターの声を聞いた時は、やっぱり浦和だなって思いましたし、やっと帰ってこられたなっていう気持ちの方が強かった」
大卒ルーキーの肥田野蓮治と松尾佑介を前線に並べた浦和は、連動したプレッシングで主導権を握りにいく。
その姿勢が立ち上がり数分で実を結んだ。
GK西川周作のロングキックを肥田野が前方に競り落とすと、千葉の連係ミスを突いた松尾佑介がPKを獲得。自ら決めて先制した。
さらに12分には、セカンドボールを肥田野が奪った流れから、渡邊凌磨のパスを起点に、松尾が左サイドを突破する。角度の無いところからのシュートは千葉のブロックに弾かれたが、こぼれ球を肥田野が冷静に押し込んだ。
この2得点は、マチェイ・スコルジャ監督がキャンプから強調してきたアグレッシブな守備と攻め切る姿勢を結果に結びつけた形だった。
後半に入ると千葉は徐々にボール保持率を高め、徹底したサイドアタックからセットプレーやセカンドボールへのチャレンジから圧力を強めていった。
コーナーキック(CK)のこぼれ球から危険なシュートを打たれるなど、浦和にとって我慢を強いられる時間帯も少なくなかった。
「常に根本健太と話し合いながら…」

宮本と最終ラインでコンビを組んだ根本健太【写真:Getty Images】
その中で昨年と同じシチュエーションより全体のポジションを上げて、自分たちの攻撃に繋げるシーンも少なくなかった。その生命線になったのが“ハイラインマスター”宮本のコーチングとアクションだった。
「細かく上げて、自分がディフェンスリーダーとして自分の感覚でやっていいっていうことも言われていましたけど、まずはチーム状況とか体力面とか考えながら、相手の状況を見ながらどこまで上げるのかとかは、常に根本健太と話し合いながらやれたのかなと思います」
そう宮本は自身の役割を明かした。
サイドから相手にボールを運ばれたり、CKからの攻撃を跳ね返した直後に必ずと言っていいほど、大きな動作と声で全体を押し上げることを指示しながら、前向きな守備と柔軟なカバーリングを繰り出したのだ。
具体的な守り方に関してはキャンプから構築してきた、高い位置でのマンツーマンを多少抑え気味にミドルブロックを組む時間帯もあった。
宮本はケースバイケースで選択しながら、守備をコントロールしていたという。同選手はその手ごたえを口にする。
「監督だけの意見だけじゃなく…」

戦況を見つめる浦和レッズのマチェイ・スコルジャ監督【写真:Getty Images】
「マンツーマンの時はマチェイさんからの声があったので、そこはマチェイさんの声を聞きながらやってましたけど、状況によってはマンツーマンをやめてほしいっていうことを中盤の(渡邊)凌磨君に話したり。そこは監督だけの意見だけじゃなく、選手がみんな判断してやれていた」
センターバックのコンビを組んだ根本も、宮本との連係に良い感触を持ったようだ。
「練習からコミュニケーションは取れていたので、それを試合に出すだけでしたけど、自分たちがディフェンスなので、失点をしないこと。その上で、ラインコントロールを意識しながら、自分と宮本選手を中心にやれたかなと思います」
マンツーマン気味にボールを奪いに行く時は、相手のFWの動きを見ながら、根本か宮本の一人が前に出て、もう一人がステイして右サイドバックの関根貴大などと、バランスを取るシーンも見られた。
攻撃面に関しても、根本はポジティブな見解を示している。
「宮本選手のパスを出すタイミングだったり、逆に自分が受ける時のポジショニングはすごく助かっていますし、自分にとっても勉強になります。そこはお互いうまくやれている」
2人の連係についてはスコルジャ監督も高い評価を下す。