
浦和レッズでプレーする肥田野蓮治【写真:Getty Images】
明治安田J1百年構想リーグ・EASTグループ第4節が2月28日に行われ、浦和レッズは鹿島アントラーズと対戦した。勝ち点7同士で迎えた大一番で、肥田野蓮治が序盤から躍動。先制点もあげたが、チームは2-3であえなく逆転負け。結末をベンチで見届けた大卒ルーキーは、手応えをつかみつつ矢印を自身に向ける。(取材・文:河治良幸)[1/2ページ]
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鹿島アントラーズを何度も脅かした大卒ルーキー

先制点を喜ぶ肥田野蓮治とマテウス・サヴィオ【写真:Getty Images】
浦和レッズはホームの埼玉スタジアム2002で鹿島アントラーズに2-3で逆転負け。数年来、引き分けが続いてきた両雄の対戦だが、昨年9月に続き、鹿島の勝利となった。
浦和としては非常に悔しい敗戦の中でも、希望を見出すことはできる。
ジェフ千葉との開幕戦に続き、この大一番で今シーズン2点目となる先制ゴールを決めた、大卒ルーキーのFW肥田野蓮治だ。
昨シーズンの終盤に特別指定選手として、衝撃的なデビュー戦ゴールを決めた肥田野はこの試合でも、前線からのハイプレスと背後へのランニングで、浦和に流れを呼び込んだ。
13分には右のショートコーナーからマテウス・サヴィオが上げたクロスのセカンドボールを安居海渡がシュートに持ち込むが、ボールはゴール左に流れる。それを拾った肥田野の左足シュートは日本代表GK早川友基の反応を破ったが、惜しくもクロスバーを叩いた。
しかし、その1分後にゴールシーンがもたらされる。
浦和ボールのリスタートから左サイドバックの荻原拓也、センターバックの根本健太、ダニーロ・ボザと繋いだボールを右サイドバックの関根貴大が、鹿島の守備を引き付けたところから前方に大きく蹴る。
右サイドからタイミングよく飛び出した金子拓郎が、戻りながら対応してきた溝口修平をファーストタッチで中に切り込んで突破した。
その瞬間、肥田野は爆発的なスピードを生かして、鹿島のディフェンスラインの合間に走り込んだ。
「相手が植田選手ということで…」

鹿島アントラーズ所属の植田直通【写真:Getty Images】
「拓郎くんが自分のこと見てくれているのはわかってたので。とりあえず相手より前に入るっていうところで、100%のスプリントで突っ込んでたって感じです」と肥田野。クロスというよりは左足のラストパスと表現した方が良いかもしれない。
グラウンダーのボールがGK早川とセンターバックの植田直通の間を抜けると、肥田野はスライディングで左足を合わせた。
肥田野のゴールをアシストした金子は次のように振り返る。
「相手の状況もしっかり見えていましたし、ファーストタッチでうまく侵入できると思ったのでいいタッチができました。かなり抉れて、完全に入れ替わる形だったので左で蹴れると思いました。少しシュートも考えましたが、ゴール前に蓮治が入ってきてくれたので。そこを通すだけでしたね。
(肥田野が)走ってきているのは分かっていました。ゲート(GKとDFの間)を通せば点になると思いましたし、ディフェンスと並走していれば右足で上げたと思いますが、完全に置いていけたので。余裕を持って左で蹴れました」
その後も肥田野は持ち味である背後に抜ける動きを繰り返しながら、高い位置で起点を作った。
Jリーグ屈指の対人の強さを誇る植田を相手に動じなかった大卒ルーキーは、ハイレベルな応酬に手応えを感じていた。
「最近、収めもチャレンジしてる中でいい感触があったので。相手が植田選手ということで多少緊張感もあったんですけど、意外と通用するなっていうのは自分の中でもひとつ、自信になる部分だった」
さらに、この日掴んだ感触を今後の戦いにも活かしてゆく考えだ。
「今日のような結果になってしまう」肥田野蓮治が悔やむこと

競り合う鹿島アントラーズと浦和レッズの選手たち【写真:Getty Images】
「個人としてスケールの大きいプレーを目指している中で、どんな相手に対してもああいうプレーができるようにというのが自分の目標。みんなが考えられないようなスケールを持った選手になりたいと思っているので、これからも続けていきたいです」
肥田野としては鹿島という強豪にも臆することなく、守備のランニング、背後を狙う動き出し、さらには相手を背負いながらのポストプレーといった多様なプレーで、確かな自信を得られる試合になったことは確かだ。
そして目に見える結果である1ゴール。個人としては十分な活躍にも見える。しかし、肥田野はあくまで自分に矢印を向けて、敗戦の事実を受け止めた。
「満足はしてないですし、得点の前にひとつバーに当てたシーンがあったので、ああいうところを決めきれないと、今日のような結果になってしまう。チームとしては3点目を重要視してたので、そこを自分が取れなかったというのが課題かなと思います」
その活躍度に反して、金子と共に63分という早い時間でピッチを退いた。その理由については、メディカルによる時間制限があったことをマチェイ・スコルジャ監督も認めている。
開幕前からハムストリングに違和感があった肥田野は、練習メニューも慎重に組まれており、前節の横浜F・マリノス戦でも60分までだった。