
ジェフユナイテッド千葉でプレーする石川大地【写真:Getty Images】
シーズン移行に伴う特別大会「明治安田J1百年構想リーグ」の第5節でジェフユナイテッド千葉は、ホームで柏レイソルと対戦し、2-1で勝利した。この試合の決勝点を決めたのが石川大地だ。セットプレーでのポジショニングが生んだゴールでもあった。課題と向き合いながら高みを目指すストライカーの活躍がチーム浮上のカギを握る。(取材・文:石田達也)[1/2ページ]
——————————
「やっぱり勝つって最高だと」

ジェフユナイテッド千葉の指揮を執る小林慶行監督【写真:Getty Images】
スタンドを黄色に染め上げたサポーターから万雷の拍手が降り注ぐ。勝利チームの特権を選手たちは思う存分に味わった。
17年ぶりとなったJ1での「千葉ダービー」がフクダ電子アリーナで行われ、ジェフユナイテッド千葉が柏レイソルを2-1で破り、今シーズン初勝利を飾ると同時に、5949日ぶりにJ1での白星を掴んだ。
小林慶行監督は「めちゃくちゃ嬉しいです。みんなそうだと思いますし、やっぱり勝つって最高だと思うんですよね」と語る。
加えて「勝てない状況が続くと、ずっしりとくるものが当然あります。久しぶりに勝点3を取れて、そんな簡単ではないですし、難しいリーグですけれど、自分たちが成長しているという一歩を結果として持ち帰れたっていうのは非常に大きいと思います」と、チームの進化を嚙み締めながら振り返った。
立ち上がりから主導権を握ったのは柏だった。
4分、14分とGK若原智哉がシュートを防ぐなど再三チャンスを作られる。21分にはFWカルリーニョス・ジュニオにアクシデントが起こり途中交代を余儀なくされると、右SHの津久井匠海を最前線へとスライドし対応。一方で相手の流動的な攻撃に滞りなく、その後も柏ペースで試合は進んで行く。
31分にはMF山内日向汰がドリブルでペナルティーエリアに侵入しシュートを放つが、これはサイドネット。前線からのプレスも激しく、ビルドアップのミスを突かれ自陣でのプレーが続いた。
千葉がボールを持っても柏の即時奪還に遭い、中々、前に運べない。前半は、いつ失点をしてもおかしくはない状況でもあった。
小林監督は、次のように言う。
石川大地が語る、津久井匠海のストロング

先制ゴールをあげた津久井匠海【写真:Getty Images】
「前に出過ぎると前向きのボランチをうまく使われて、“あいだ”のスペースを突かれて前進される形があるので、本当にギリギリのところで無失点で戻って来ることができた前半だったと思います」
前半をスコアレスで折り返す。
これが千葉にとってプラス材料となった。ハーフタイムで整理をした千葉は連動したプレスでハメに行くと、スコアは48分に動いた。
DF河野貴志のロングフィードをMFエドゥアルドが頭で落とし、そこでMF津久井匠海が右足を振り抜くとゴールネットに突き刺す。津久井のFW起用はスクランブルだったが、新たな攻撃のオプションになっていた。
2トップを組んだFW石川大地は「前半は0-0で行こうと。後半に自分たちが行ける少ないチャンスをしっかり仕留るという狙いが上手くはまったのかなと思います」と力強く答えた。
そして津久井に対しては、「推進力もあり、あとパワーもありますし、ラフなボールを蹴っても、何かごちゃごちゃってしてくれたりとか、セカンドボールを拾えたり、マイボールになるシーンも増える」と信頼を寄せる。
さらに61分、千葉に貴重な追加点が入る。右CKをDF日高大がファーサイドに蹴る。それをMF前貴之が折り返すと石川が合わせる。一度は相手キーパーに弾かれるも、こぼれ球を右足で押し込みリードを2点に広げた。
このデザインされた得点シーンは千葉のスカウティングが結果を呼び込んだものだ。
「チーム全体として取れた得点かなと」

「千葉ダービー」の様子【写真:Getty Images】
前は2点目についてこう語る。
「スタッフの分析があって、僕はあの立ち位置にいました。折り返しもフリーだったので、どの強さで折り返すかを迷いながらも、当てるだけというか、そこに送り込むだけの形を選択しました。
そこに大地がいてくれて、あの混戦の中で押し込んでくれたので、チーム全体として取れた得点かなと思います」
一方の石川は「相手の背後のところで上手くポジショニングを取れたことが1番良かったと感じています。セットプレーでは相手のウィークについて話があり、そういうところから得点が獲れました」と笑顔で話した。
2018年にFC岐阜に加入。アスルクラロ沼津への期限付き移籍を経て、岐阜に復帰すると、その後はガイナーレ鳥取、ロアッソ熊本で活躍し、2024年から千葉に加わり10得点をマーク。
この日もチーム最多の4本のシュートを放ち、これで2試合連続得点。開幕前のプレシーズンマッチ“ちばぎんカップ”でもゴールを奪っている。ライン間で受け、最終的にはゴールゲッターにもなる。
類まれな才能と努力を融合させ、ストライカーとして貪欲にゴールを狙った上で結果を出す。個人としても勢いに乗っている証拠だ。
とはいえ、石川は自身のプレーに満足しておらず、まだまだ高みを目指している。