
川崎フロンターレの脇坂泰斗【写真:Getty Images】
明治安田J1百年構想リーグ第9節が5日に行われ、川崎フロンターレは浦和レッズに3-2で競り勝った。脇坂泰斗が試合後に語ったのは、その先に必要な積み上げだった。逆転劇を演出しながらも現状に満足することなく、攻守両面の課題と向き合い続ける姿勢。チームを束ねるキャプテンとして、勝ち続ける集団へと導く覚悟をにじませている。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
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「そういうのを続けていけたら」

川崎フロンターレの脇坂泰斗【写真:Getty Images】
「ああいった個人頼みにならない攻撃を沢山できるようになれば、相手も怖くなるし、前に出てこなきゃいけなくなる。その背後を突いたりできるようになるし、好循環が生まれる。そういうのを続けていけたらいいと思います」と背番号「14」はしみじみと語っていた。
そういった攻撃が安定して出せるようになり、さらに課題の守備を改善できれば、EAST地区中位からは脱することができるはず。そう仕向けていくのが、リーダーである脇坂のタスクである。
「今日は勝ち点3を拾えましたけど、ずっと『等々力劇場』みたいなゲームはできない。先行してゲームを進めていくことがすごく大事だなと思います。そのためにも失点を減らさないといけない。立ち上がりのセットプレーもやられてしまっていますし、守備のクロス対応だったりは課題だと感じます。
相手を押し込んで、自分たちがボールを保持して、ゲームを進める時間がもっと必要かなとも思うので、速攻で行けるシーンと、それができない時に相手を走らせる形の使い分けが必要になってきますね」とキャプテンは改善点を指摘。攻守両面で突き詰めていく構えだ。
浦和戦の3ポイント獲得によって、勝ち点を14に引き上げ、EAST地区4位まで順位を上げた川崎。次戦は勝ち点23で首位を走る鹿島アントラーズとのホームゲームだ。鹿島から3ポイントを手にできれば、差がグッと詰まって頂点も見えてくる。
この劇的逆転勝利を大きなステップにしなければならないのだ。
「失うものはなにもない」
川崎フロンターレの脇坂泰斗【写真:Getty Images】
「ケガ人のところは正直、厳しい部分がありましたけど、その中で何とかやってきた今季の半分だった。この勝ちをきっかけに3(ポイント)ずつ取っていって、上に食らいついていくしか、僕らにはない。失うものはなにもないですし、強気でやりたいなと思います」
脇坂は語気を強めたが、それはまさにチーム全員が感じていることだろう。1週間後までに谷口や佐々木が戻ってくるかどうかは未知数ではあるが、とにかく鹿島には負けられない。
現有戦力の総力を結集して、2025年のJ1王者に向かっていくことで、川崎の明るい未来が開けてくるはずだ。
絶対的リーダーにはそういった前向きな機運を作ってほしいところ。今こそ彼の統率力が試される時である。
(取材・文:元川悦子)
【著者プロフィール:元川悦子】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。
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