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「今は周りが見えている」FC東京の佐藤恵允が日に日に凄みを増している。“2年目”の今、芽生えているはずの野心【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by 三原充史(Atsushi Mihara), Getty Images
FC東京 佐藤恵允
FC東京でプレーする佐藤恵允【写真:三原充史(Atsushi Mihara)】



 試合の流れを変えたのは、一人のランニングだった。苦しい展開が続いた横浜F・マリノス戦で、FC東京に先制点をもたらしたのは佐藤恵允。その一撃には、今季大きく変貌したチームの狙いと、彼自身の確かな成長が凝縮されていた。現地で見えたその価値とは何だったのか。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
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目指すべきはフル代表の舞台。「今は周りが見えている」

サッカー日本代表 藤田譲瑠チマ
佐藤恵允と共にパリ五輪で戦った、サッカー日本代表MF藤田譲瑠チマ【写真:Getty Images】

 2024年夏のパリ五輪で共闘した藤田譲瑠チマや川崎颯太が欧州5大リーグに参戦し、藤田が2026年北中米FIFAワールドカップ(W杯)に手が届きそうなところにいるのを見れば、「自分も世界で勝負したい」と考えるのも当然だからだ。

 ただ、現実には1年半で日本に戻って、Jリーグから再出発することになった。

 最初に海外からプロキャリアをスタートさせた選手は日本への適応に苦しむこともあるが、彼の場合はアグレッシブさと泥臭さを松橋監督に認められ、先発、もしくはジョーカーとして継続的に起用された。

 長友佑都、室屋、遠藤といった欧州から戻ってきたメンバーが複数いたこともプラスに働いたのかもしれないが、2025年のJ1では36試合出場7ゴールとまずまずの数字を残し、本人も自信をつかんだに違いない。

 その積み重ねが2年目の今、確実に出ている印象もある。



 もちろん本人はこの現状に満足してはいないだろう。FC東京で頂点をつかみ、もう一度、海外に出て行って、2030年W杯では日本代表に滑り込みたいという思惑もどこかにあるのではないか。

 本人からはそういったコメントを耳にしたことはないが、パリ五輪世代が森保ジャパンに1人、2人と増えている今、「このままではいられない」という野心も芽生えているはずだ。

 強気のマインドを得点・アシストにもっともっとつなげてほしい。これで今季3ゴール目だが、得点王になるくらいの突出した実績がほしい。

 本人は「今は周りが見えている」と自信をのぞかせたが、成長曲線をより一層、引き上げてほしいところ。爆発的スピードを誇る24歳のアタッカーのさらなる進化が待ち遠しい限りだ。

(取材・文:元川悦子)

【著者プロフィール:元川悦子】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。

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【了】
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