FIFAワールドカップ2026(W杯)開催国の一つであるアメリカ合衆国と出場国の一つであるイランの関係が悪化している。そうした政治的事情を受けて、イランに代わり、FIFAランキング上位のイタリア代表をW杯に出場させるという案も浮上している。果たしてそれは現実的なのか。そして、イタリア国民はどのような反応を示しているのか。(文:佐藤徳和)[2/2ページ]
トランプ大統領とメローニ首相の関係悪化も影響?
「青年・スポーツ省は、大臣の指示のもと、我がイラン代表が2026年W杯に向けて万全の準備を整えていると発表した。選手たちが誇りと成功をもって大会に参加できるよう、必要な措置はすべて講じられている」
冒頭で触れたとおり、トランプ大統領とメローニ首相の関係にも亀裂が生じている。
トランプは、「彼女にはショックを受けた。勇気があると思っていたが、間違っていた」と、イタリア紙『コッリエーレ・デッラ・セーラ』の取材にコメントしている。
また、ローマ教皇レオ14世を批判したことで、メローニ首相から「受け入れられない」と指摘されたことについて問われると、「受け入れられないのは彼女の方だ」と語気を強めている。
イタリアとの溝が鮮明になっている今、トランプもまた、イタリアの代替出場案を受け入れる可能性は低いのではないか。
現時点で、イタリアは代替出場を望んでおらず、イラン側も一歩も引く姿勢を見せていない。
仮にアメリカでグループリーグを戦う予定のイランが大会をボイコットする事態となれば、その出場枠はアジアに割り当てられるのが筋だろう。
W杯開幕まで2か月を切った。イラン代表がアメリカの地に降り立つのか。
それとも、彼らに代わる代表チームが、棚ぼた的に出場することになるのだろうか。
(文:佐藤徳和)
【著者プロフィール:佐藤徳和】
1998年にローマでの語学留学中に、地元のアマチュアクラブ「ロムーレア」の練習に参加。帰国後、『ポケットプログレッシブ伊和・和伊辞典』(小学館)の制作に参加し、イタリア語学習書などの編集、校正、執筆に携わる。2007年から、フリーランスとして活動し、主にイタリア・サッカー記事のライティングに従事。2014年には、FC東京でイタリア人臨時GKコーチの通訳を務める。IL ROMANISTA、日本特派員。『使えるイタリア語単語3700』(ベレ出版)、『イタリア語基本の500単語』(語研)を共同執筆。日伊協会では、カルチョの記事を読む講座を開講中。X:@noricazuccuru
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