
横浜F・マリノスでプレーする角田涼太朗【写真:Getty Images】
25日の浦和レッズ戦に勝利したものの、角田涼太朗は自身のプレーについて厳しく追及した。横浜F・マリノスは明治安田J1百年構想リーグEASTで失点数「22」を喫しており、守備の改善は急務である。「『これをやったからすぐに失点がなくなる』という策はない」という前提を述べながら、マリノスのDFリーダーはチームと個人の両面から問題点を語る。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
「後半なんかは一番最低のゲームだったのかなと」

浦和レッズ対横浜F・マリノスの模様【写真:Getty Images】
さらに79分には、途中出場の近藤友喜の持ち上がりからのスルーパスが若きアタッカー・浅田大翔に渡り、それを受けた天野純がシュート。一度はDFに弾かれたものの、背番号40は2度目に押し込み、3−1とリードを広げることに成功したのだ。
終盤にはジェイソン・キニョーネスのオウンゴールが飛び出し、1点差に詰め寄られたが、8分間もの長いアディショナルタイムを乗り切って終了の笛。マリノスは連敗を3でストップし、勝ち点12で8位に浮上した。
キャプテンマークを巻いて85分間プレーした角田も心から安堵した様子だった。
「今日は本当にチームに助けられたなという試合でした。自分がマリノスに入ってきてから、後半なんかは一番最低のゲームだったのかなという自己分析ですね。
ケガ明けでコンディションがよくなかったというのもありましたけど、それは言い訳にしかならない。ケガなく終われたことと、チームが勝てたことをポジティブに考えて、切り替えて連戦を戦っていきたいと思います」
26歳のDFは神妙な面持ちでこう語ったが、ここから自身の状態を引き上げていかなければいけないのは確かだ。
角田は2023年3月に日本代表にも招集された人材。その時は負傷で辞退を余儀なくされたが、次世代の日本サッカー界を担うDFであることは間違いない。
そういう選手が目に見えるミスを繰り返していてはいけない。
「前半は最低でもゼロで終えないと厳しい」

サポーターに挨拶する横浜F・マリノスの選手たち【写真:Getty Images】
12試合で通算失点22という状況から抜け出すためにも、彼がもっともっと安定感のあるパフォーマンスを見せる必要がある。
それは本人も自覚しているはずだ。自身の決意として、次のように語る。
「点を取って失点しなければ絶対に負けることはない。今日も前半に追いつかれてしまったのは大きな反省ですし、前半は最低でもゼロで終えないと厳しいと思います。
マリノスを応援してくれている人たちに、なかなかいい思いをさせられていないというのも、個人的にすごく引っかかっていること。応援していて自慢できるチームにしていかなきゃいけないですし、EAST残り6試合と順位決定戦の2試合で1つでも多く勝ちを届けたい。
それを次のシーズンにいい形でつなげたいと思うので、うまくやっていけたらいいですね」
大型連休中の彼らはジェフユナイテッド千葉、水戸ホーリーホックという下位グループの相手とまず対戦。その後はFC町田ゼルビア、鹿島という上位陣に挑んでいくことになる。
その4試合で失点数を劇的に減少させられれば理想的。統率役である角田の一挙手一投足を注視していくべきだろう。
(取材・文:元川悦子)
【著者プロフィール:元川悦子】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。
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