
浦和レッズでプレーする石原広教【写真:Getty Images】
PK戦での敗北を含め、浦和レッズは明治安田J1百年構想リーグで7連敗。横浜F・マリノスとの試合で黒星を喫したあと、右サイドバックの石原広教は葛藤のさなかにあった。「本当に、今は来シーズンのことを見ていいのか?」という思いを抱えながら、目の前の課題に向き合う。(取材・文:河治良幸)[2/2ページ]
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「もちろん、このチームはそうならないと思いますけど…」

スタジアムに詰めかける浦和レッズサポーター【写真:Getty Images】
「矢印をいろんなところに向けすぎないというのは大事だと思います。日頃の練習からもそうですけど、例えば誰かのせいにしたり、ミスに関して自分に矢印を向けないとか。
もちろん、このチームはそうならないと思いますけど。そういう風になったら本当に終わりだと思うので」
現在チームのキャプテンを担うのは凌磨だが、石原は「凌磨君も本当に苦しんでいると思うので、それを周りの選手がしっかり支えてあげるというところは、本当に意識してやらなきゃいけないと思うので」と語る。
彼だけに責任を押し付けることなく、選手の一人ひとりが自覚とリーダーシップを持って、この状況を乗り越えていくことが必要であることを強調した。
試合後、ホームのゴール裏をはじめとしたスタンドから、一斉のブーイングなどは無かった。
むしろ激励の声が多かったことについて、石原は次のように熱を込める。
「ファンサポーターの皆さんも、苦しい思いをされていると思いますが、そのように頑張れという掛け声が多かった。(選手は)責任感をもっと持って、レッズのためにという気持ちをもっと持たないといけないと感じた」
「本当に、今は来シーズンのことを見ていいのか?」

クラブワールドカップで戦った浦和レッズ【写真:Getty Images】
このハーフシーズンで浦和が苦しむ間に、前年王者の鹿島アントラーズが百年構想リーグEASTの首位を独走。
一方でヴィッセル神戸やFC町田ゼルビアがAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)のファイナルズで奮闘を見せた。
ガンバ大阪もリーグ戦と並行しながら、ACL2の決勝まで進んでいる。
さらにはAFCからACLE拡大の方針が発表され、Jリーグからは従来の3枠に加えてプレーオフ2枠が増えることが明らかになった。
ACL2と合わせれば、26/27シーズンから6チームがアジアを舞台に戦うことになる。
そこに過去3度のアジア制覇を誇る浦和レッズが参戦できないという事実。それに関して石原はこう主張する。
「本当に、今は来シーズンのことを見ていいのか?というところも正直あります。そこに向けて何ができるかというところが本当に大事だと思います。でも練習、試合のワンプレーというのを全員がもっとこだわってやらないといけない」
その石原も昨年は新たなフォーマットになって初めてのクラブワールドカップ(クラブW杯)に出場し、世界の舞台で、渡邊らチームメートと共に、悔しい思いを経験した。
2029年に予定される次の大会に出るには2026/27シーズンでACLEの出場権を勝ち取り、そこで好成績を収めるしか道はない。
そのためにも、まずハーフシーズンの残り試合、地道な戦いの中で突破口を見出す必要がある。
(取材・文:河治良幸)
【著者プロフィール:河治良幸】
東京都出身。サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で日本代表を担当し、プレー分析を軸にグローバルな視点でサッカーの潮流を見続ける。セガ『WCFF』の選手プロフィールを担当。著書に『勝負のスイッチ』『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』『サッカー番狂わせ完全読本ジャイアントキリングはキセキじゃない』がある。X:@y_kawaji
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