フットボールチャンネル

J1 5時間前

「楽しかったですね」田中達也率いる浦和レッズは何が変わった? 長沼洋一が明確に言語化。「みんなで共有していた」こと【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸 フリーライター photo by Getty Images
浦和レッズ、長沼洋一
浦和レッズの長沼洋一【写真:Getty Images】



 田中達也監督のもとで再出発した浦和レッズは、連敗を止めた一戦で確かな変化を示した。その中心にいたのが長沼洋一だ。左SBながら“ピン留め役”として高い位置を取り続け、攻守における役割を明確に体現。「立ち位置の整理」と「全体での共有」がもたらした手応えを、本人の言葉とともにひも解く。(取材・文:河治良幸)[2/2ページ]
——————————

「言い方が合ってるか分からないですけど…」

浦和レッズ、長沼洋一
浦和レッズの長沼洋一【写真:Getty Images】

 実際に田中監督から「きつかったら言えよ」と声をかけられ、ハーフタイムにも「あと何分持ちそう?」と聞かれたという。

 しかし、長沼は「最後まで行きますと」と返答し、その言葉通りやりきって見せた。

 その理由は長沼の体力的なタフさもあるが、試合のテンポが無理に急ぎすぎず、落ち着いてショートパスを回す時は回すといった、強弱が取れていたことも大きい。



 長沼も「カウンターに行く時も、行けないんだったらキープして、しっかりボールを動かして自分たちの時間でゲームをコントロールできたというか。“疲れたけど、疲れてない”という言い方が合ってるか分からないですけど、楽しかったですね」と振り返った。

 右サイドでバランスを担った石原も「後ろに入ったら落ち着かせられるだろうなと思ったのと、ボールを持ってゆっくりすることもそうだし、相手のウィンガーやフォワードの立ち位置を見て、自分のポジショニングを変えることはうまくできた」と語り、左右で非対称の役割分担がチーム全体の安定性に寄与していたことがうかがえる。

「本当にいいゲームだった」

浦和レッズ
連敗を止めた浦和レッズ【写真:Getty Images】

「攻撃の時間が長かったし、守備の切り替えもすごいみんな早くて、本当にいいゲームだったなと思います」と長沼は手応えを口にした。

 もちろん、今回は新監督の“初陣”であり、戦い方が相手の予想と違ったことも、アドバンテージになったことは確かだ。しかし、1つの成功体験として、今後の戦いのベースになっていくことに違いない。



 長沼は「相手の守備の追い方によっても、3枚回しをするのか4枚回しをするのか違うと思います。そこを臨機応変に対応できる選手が多くいると思ってますし、僕もその一人だと思う」と語る。

 今回はあくまで再出発に過ぎないが、役割の明確化と可変性を両立できるこの形が進化していくならば、長沼のプレーもまた、より直接的に勝利へ関与するものへと発展していくはずだ。

(取材・文:河治良幸)

【著者プロフィール:河治良幸】
東京都出身。サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で日本代表を担当し、プレー分析を軸にグローバルな視点でサッカーの潮流を見続ける。セガ『WCFF』の選手プロフィールを担当。著書に『勝負のスイッチ』『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』『サッカー番狂わせ完全読本ジャイアントキリングはキセキじゃない』がある。X:@y_kawaji

【関連記事】
「去年より考えることは多い」浦和レッズは今季、何が変わるのか。キャンプで見えてきた、目指すサッカーとその手応え【コラム】
「それが役割のひとつ」宮本優太が語る、昨年の浦和レッズに足りなかった部分。「監督だけの意見だけじゃなく…」【コラム】
「自分としても楽しい」浦和レッズ、柴戸海は確かに前進した。「そう感じてもらえたらすごく嬉しい」こと【コラム】


【了】

1 2

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!