フットボールチャンネル

J1 14時間前

弓場将輝は心に灯した火を絶やさず、“そのとき”を待ち続けた。清水エスパルスに風穴を開ける存在へ「前に進めた感覚はあります」【コラム】

シリーズ:コラム text by 榊原拓海 photo by Getty Images

清水エスパルス 弓場将輝

清水エスパルスの弓場将輝【写真:Getty Images】



 清水エスパルス加入2年目の弓場将輝にとって、今季は飛躍の年にしたいという思いが強いのではないだろうか。4月29日に行われたV・ファーレン長崎戦で今季初先発のチャンスを掴んだ。23歳のボランチが初スタメンで確かなインパクトを残すまでの歩みを追った。(取材・文:榊原拓海)[2/2ページ]

先制点を演出したワンシーンは偶然の賜物ではない

清水エスパルス 弓場将輝

清水エスパルス加入2年目の弓場将輝【写真:Getty Images】

「対峙する選手の特徴は常に見ていますし、きょうの相手のダブルボランチの山田(陸)選手と山口選手は守備で人に対して強く来る選手です。だからこそ、その勢いを逆手に取るプレーができれば、剥がすチャンスはあると思っていました」

 この言葉を発した後、彼らしい爽やかな笑顔で「あんなに綺麗に剥がせるとは思っていなかったです」と本音も漏らした。

 だが、このプレーは決して偶然の賜物ではない。
 
 この試合、ダブルボランチでコンビを組んだマテウス・ブエノとは、練習の前後で冗談を言い合う姿も見られるなど、仲の良い間柄だ。

 弓場は彼のプレーを近くで見て、「彼はお手本になる選手ですし、彼のようなプレーができれば自分の幅が広がる」と感じていたのだという。背番号10のプレーを参考に、意識を高めてきた成果が先制点を演出したワンシーンにつながった。

 結果的に、チームは長崎に敗れ、PK戦での黒星も含めると、今季初の3連敗を喫した。弓場も63分に途中交代。チームの結果も相まって、非の打ちどころがないパフォーマンスを見せたと評価すると違和感が残るだろう。



 それでも、彼が確かなインパクトを残したことに間違いはない。

 このチームにはブエノや宇野といった、J1でも屈指と言えるレベルの中盤が揃っている。彼らも容易くポジションを明け渡すつもりはない。そのことは激しい定位置争いの中に身を置き、「このチームのIH・ボランチは、特に競争率が高いポジション」と話す弓場が誰よりも承知している。

 だからこそ、弓場は自らにフォーカスし、虎視眈々と次の出番を見据える。

「次のチャンスがいつ、どのような形で来るのかはわかりませんが、きょうは少しずつ自分の中で積み上げてきたものを出せて、前に進めた感覚はあります」

 確かな手応えを得た弓場は、一歩、また一歩と進んでいく。大きな花を咲かせるその日まで。

(取材・文:榊原拓海)

【著者プロフィール:榊原拓海】
1996年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。上智大学外国語学部イスパニア語学科卒。学生時代よりWEBメディアの編集業務にアルバイトとして携わり、2024年よりフリーランスとして活動。現在はサッカー専門新聞『エルゴラッソ』にて清水エスパルスを担当。同メディアを中心に、さまざまな媒体に寄稿している。

【関連記事】
「まだまだ足りない」清水エスパルス、大畑凜生が初先発で感じた課題。「自分のところでもっと…」【コラム】
苦悩の先にある輝き。清水エスパルス・中原輝はこのままでは終わらない「それができれば、スタメン争いに加わっていける」【コラム】
「もう既に体が動いている」清水エスパルス・北川航也が新境地・右WGで示す価値「相当キツいです。ただ…」【コラム】

【了】
1 2

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!