
横浜F・マリノスの谷村海那【写真:Getty Images】
勝利まで残りわずか2分だった。アディショナルタイムで失点を許し、90分で決着はつかず、PK戦の末、鹿島アントラーズに敗れた横浜F・マリノス。先制点を挙げ、勝利の立役者となるはずだった谷村海那は悔しさを滲ませながらも、ストライカーとしての矜持を漂わせた。(取材・文:竹中愛美)[2/2ページ]
明治安田J1百年構想リーグ・地域ラウンド第16節
横浜F・マリノス 1-1(PK4-5) 鹿島アントラーズ
日産スタジアム
「本当に強いチームになるためには…」谷村海那が示したストライカーとしての自覚

チームトップの7ゴールをマークした横浜F・マリノスの谷村海那【写真:Getty Images】
「本当に強いチームになるためには誰か1人が得点王争いをするしかないと思っているので、自分で自覚を持ってプレーしていけたらなと思います」
得意のゴール前での駆け引きにさらに磨きをかけ、J1の舞台でもしっかりと戦えることを示している谷村。今季から背番号をストライカーの象徴でもある「9」に変更したことで、点取り屋としての自覚がより強まっているのかもしれない。
5連戦は休むことなく出場し続け、4ゴール1アシスト。チームの主軸として奮闘した。
「結構きつかったですけど、本当に勝つためにやるしかないと思っていたので、そんなことを気にしていられず、黙々とやっていました」と谷村らしい回答で連戦を振り返った。
地域リーグラウンドは泣いても笑っても残り2試合。2026/27シーズンへチームとして、個人としてどこまで上積みできるのか。一戦も無駄にすることはできない。
「きょうの試合をベースにさらにもっと上を目指して、強度をもっと出して圧倒できたら、どんな相手にも負けないと思うので、あと2戦とりあえず勝ちたいと思います」
言葉数は決して多くはない谷村。言葉よりもプレーで、ゴールで自身を表現するのが似合っている。それでも、この短い言葉の中に内側に滾る何かを感じた。得点することが仕事だと言わんばかりに。
(取材・文:竹中愛美)
【著者プロフィール:竹中愛美】
1990年、北海道生まれ。Jリーグ開幕で世の中がサッカーブームに沸いていた幼少期、「入会したらヴェルディ川崎のボールペンがもらえる」の一言に釣られて地元のクラブでサッカーを始める。以降、サッカーの魅力に憑りつかれた日々を送ることに。ローカルテレビ局時代に選抜甲子園や平昌冬季五輪、北海道コンサドーレ札幌などを取材し、2025年よりカンゼンに所属。FWだったからか、この限られた文字数でも爪痕を残したいと目論むも狭いスペースの前に平伏す。ライターとして日々邁進中。
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