フットボールチャンネル

コラム 2時間前

日本代表メンバー入りへの手応え。瀬古歩夢は確かに感じていた。大きかったのは“あの2戦”「地獄でした」【現地発コラム後編】

シリーズ:コラム text by 小川由紀子 photo by Getty Images
サッカー日本代表、瀬古歩夢
サッカー日本代表の瀬古歩夢【写真:Getty Images】



 FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)に臨む日本代表メンバーに名を連ねた瀬古歩夢。実は、メンバー発表前の時点でかなりの手応えを得ていたという。その要因となったのは何だったのか。現地フランスで取材し続ける小川由紀子氏がレポートする。今回は後編。(取材・文:小川由紀子【フランス】)[1/2ページ]

メンバー発表前の手応えはあった

サッカー日本代表 瀬古歩夢
サッカー日本代表の瀬古歩夢【写真:Getty Images】

 ル・アーヴルは翌週の最終節で今季好調のロリアンに0-2で勝利し、最終順位14位で残留を決めた。リーグ・アンで最少の予算で戦う彼らにとって、14位は十分満足のいく成績だ。

「このチームは他のチームに比べてお金が少ないし、そういった面でうまく補強できていないと思われがちですけど、 その中でもこのチームのためにプレーしたい選手たちがわざわざここに来て、リーグ・アン残留を目指して戦っている。なのでそこに関しては、申し分なく戦える戦力がいると思っています」

 瀬古もそのひとりだったわけだが、今季の活躍ぶりで、すでに国内外のクラブが彼に興味を示しているという噂を聞く。

 今シーズン限りでル・アーヴルを去ることになっても、評価を上げたことで経済面での置き土産ができたとしたら、選手にとってはそれも大きな貢献の形だ。


 
 そうしてリーグ・アンで評価を挙げた瀬古は、最高のタイミングでW杯に臨む。

 10日に行われたホーム最終節のときは、まだ15日の最終メンバー発表の前だったが、瀬古はすでに手応えを得ているようだった。

「やりきった感はあるので、あとはもう祈るだけ。(3月のイギリス遠征は)2試合とも勝てましたし、そこは良いアピールになったんじゃないかなと思います。毎週毎週レベルの高い中でやっているので、そこを評価してもらえれば良いかなと思っています」

 イギリス遠征に旅立つ前、「正直もう最後のサバイバルだと思っている」と意気込んでいた瀬古は、スコットランド代表戦に先発し77分までプレー。イングランド代表戦では、相手が猛攻をしかけてきた山場の66分に送り出された。

マグワイアとバーン登場。「地獄でした」

サッカー日本代表、瀬古歩夢
スコットランド代表との試合で競り合うサッカー日本代表の瀬古歩夢【写真:Getty Images】

「やったー!うっしゃ〜!頑張って守る!」

 ガッツ全開でピッチに飛び出したという瀬古だったが、83分、イングランド代表は194cmのハリー・マグワイアと、198cmのダン・バーンという、そびえ立つようなビッグマン2人を同時投入。パワープレーをしかけてきた。

「地獄でした、来たとき(笑)。剛くん(渡辺)と、『エグイのが来た』とか言って…」

 セットプレーの場面では、瀬古はバーン相手に、バスケのゴール下かというようなすさまじい肉弾戦を繰り広げた。186cmの瀬古は日本代表ではかなり長身の部類に入る。



 しかし、「いやいや、(バーンは)相当大きい(笑)。バスケットボール選手ですよ。とにかくでかいっす。重いしでかいし。とりあえず体引っ付けようと思って、2人で試合中に「マジでやられんなよ!」とか言いながら。

 もちろん(ボールに)触られる部分はありましたけど、そこはチームの選手たちがゴールカバーしてくれたのも助かりました。非常に楽しかったです!」

 この2戦を経験したことで、W杯での戦い方のイメージも湧いたという。

同期の中村敬斗との共通点

サッカー日本代表の中村敬斗
サッカー日本代表の中村敬斗【写真:Getty Images】

「今年の大会では自分たちがボールを握って主導権を握ろうっていう形も言ってますけど、もちろんそういかない場面も出てくる。そういったときに、ああいうシチュエーションになったときもゼロで抑えれるっていう力がついてると思う」

 ちなみにフランスリーグからは、瀬古と同じ2000年生まれで同期の中村敬斗も最終メンバーに選ばれた。中村はリーグ2最終節のポー戦で驚異の4得点と絶好調だ。

「いや、なんかすごいなと思います、4点もとれるって。気合い入ってたんで、あいつ。あいつのことは、もう10代から知ってます。得点力は昔からありますね。



 やっぱり右足はいいのを持ってますし。 だけど彼も、一回挫折して上がってきた雑草魂があるんで、そういう奴らってやっぱり強いですよね。大事なとこでああやって点決めるし」

 この最終節に勝たなければ、スタッド・ランスのリーグ・アン昇格の可能性は消滅だった。

 最終的に他会場の試合結果により昇格プレーオフ進出はかなわなかったが、絶対勝たなければならない試合で見せた中村の気迫には鬼気迫るものがあった。

1 2

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!