
FC町田ゼルビアの昌子源【写真:Noriko NAGANO】
明治安田J1百年構想リーグを戦い抜いたFC町田ゼルビアにおいて、キャプテンの昌子源は攻守両面でチームを支え続けた。33歳となった今季もフル稼働を続けるベテランは、勝利の裏で見えた課題とともに、次なるシーズンへの確かな手応えを口にしている。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]
明治安田J1百年構想リーグ・地域ラウンドEAST第18節
FC町田ゼルビア1-0浦和レッズ
MUFGスタジアム
「少しでも上を…」

明治安田J1百年構想リーグ最終節に臨んだFC町田ゼルビア【写真:Noriko NAGANO】
明治安田J1百年構想リーグ・地域リーグラウンドもついに最終節。EASTは、すでに鹿島アントラーズの優勝が決定。AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)でファイナルまで勝ち上がったFC町田ゼルビアは17試合終了時点で3位につけていた。
5月22日の最終節・浦和レッズ戦で勝利すると、2位・FC東京に勝ち点で並ぶものの、得失点差で大きな開きがあるため、事実上3位がほぼ決まっている状況ではあった。
「仮にEAST3位になってもWESTとの5・6位決定戦があるし、少しでも上を目指したい。26/27シーズンにつながるような形にしたい」と力を込めたのは、キャプテン・昌子源である。
2018FIFAワールドカップ(W杯)ロシア大会後に赴いたトゥールーズ時代、2020年に加入したガンバ大阪時代などはケガ続きで満足にプレーできなかった彼だが、33歳で挑んでいるこのハーフシーズンは驚異的なフル稼働を見せている。
百年構想リーグで欠場したのは、2月21日の第3節・東京ヴェルディ戦1試合のみ。
ACLEも1試合を除いて全試合にスタメン出場。4月25日のアル・アハリとの決勝もギリギリまで戦い抜いた。
しかも、3バック右を中心に、中央、左に入る臨機応変な仕事ぶりで、黒田剛監督も頼れるキャプテンのタフさにどれだけ救われたか分からないだろう。
「体の重さみたいなのももちろん…」

先制点を挙げたFC町田ゼルビアのエリキ【写真:Noriko NAGANO】
「久々に連戦が終わったけど、それでも前節(5月17日)の川崎(フロンターレ戦)から中4日。まだ連戦の続きなんですよ。一応、久しぶりの2オフをもらって、そのあと2日練習だったけど、『まだレッズ戦あるし』って感じでガッツリ休めなかった。
体の重さみたいなのももちろんありましたけど、この試合を勝って実力を証明しないといけなかった」と昌子は強調。2025年4月にMUFGスタジアム(国立競技場)で0−2の黒星を喫している浦和を同じ舞台で倒すべく、ゲームに入ったという。
気温14.9度という5月下旬とは思えない肌寒さの中、スタートしたこの試合。序盤は相手にボールを保持されたが、ワンチャンスで1点を奪えるのが町田の底力。それが開始10分の先制点だ。
右ウイングバックの中村帆高のサイドチェンジを林幸多郎が受け、大外から上がってきた中山雄太に展開。背番号「19」が上げた鋭い左クロスに反応し、ファーから合わせてきたのがエリキだった。この一撃は浦和に大きなダメージを与えたと言っていい。
その後、相手も圧をかけてきたが、町田は冷静に対処する。
「ああなったら僕らのことを…」

FC町田ゼルビアの昌子源【写真:Noriko NAGANO】
「前半は(中島)翔哉が捕まえづらかった。あいつのうまさがキーになっていたので。でも(渡邊)凌磨が外に出ていくようになった。
ああなったら僕らのことを相手が嫌がっている証拠。自分たちもピッチの中で柔軟に対応を変えられるようになっているし、それはACLEを通してかなり自信を深めているところですね」と昌子も胸を張った。
彼らの強みは、最終ラインとGK谷晃生を中心とした堅守にある。
それに加えて丁寧な組み立てができる集団になってきたのがこの半年間の成長だ。ビルドアップは今季、黒田監督が熱心に取り組んでいるところで、選手たちも大いに意識を高めている。
「個々が自信を持っているし、視野が広がっているなというのは、ずっと上から見て感じていました」と8試合ぶりに戦線復帰した相馬勇紀もチームの進化を実感していた様子だ。前半のシュート数自体は浦和に上回られたが、町田は1−0で試合を折り返すことに成功した。
後半は浦和も松尾佑介やオナイウ阿道ら持ち駒を次々と投入してきたが、町田の強固な組織は崩れない。
そのうえで、エリキやテテ・イェンギがゴールに迫り、相手に脅威を与え続けていくが、肝心の追加点が奪えない。そこが百年構想リーグ・EASTで首位に届かなかった大きな要因という見方もある。