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コラム 5時間前

「猛烈に走らされた」日本代表が活かしているブラジル大会の反省。経験者たちが導くW杯仕様の調整法とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by Editor
サッカー日本代表 吉田麻也 長友佑都
サッカー日本代表の吉田麻也と長友佑都【写真:編集部】



 FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会へ向け、サッカー日本代表が国内合宿をスタートさせた。森保一監督率いるチームが重視しているのは、過去大会の失敗を踏まえたコンディション管理だ。過去の反省を教訓に、長谷部誠コーチや長友佑都、さらには今回の合宿で追加招集された吉田麻也の経験値も活かしながら、理想的な状態で本番へ向かおうとしている。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]

W杯に向けて国内合宿をスタートさせたサッカー日本代表

サッカー日本代表 集合写真
国内合宿初日を迎えたサッカー日本代表【写真:Getty Images】


 FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会の本番に向け、25日から千葉市内で始動したサッカー日本代表。初日は、3年半ぶりに代表復帰した前キャプテン・吉田麻也、39歳で5度目のW杯行きを勝ち取った長友佑都、10番を背負う堂安律ら13人が参加した。

 フィジカルトレーニングやパス&コントロールなど軽めのメニューから始まり、5対5+4フリーマン、6対6といった実戦形式も実施。全体練習は1時間あまりで終了した。

 森保一監督は「欧州でプレーしている選手たちは1シーズンを終えた後。疲れを取りながら状態を引き上げていくことが大事。過去のW杯前を見ても、あまり強度を上げすぎない方がうまくいっている」と過去のインタビューで語っていた。

 31日に行われる壮行試合のアイスランド代表戦までの1週間は、選手個々の状態を見極めながら、コンディションのバラつきを整えていく考えのようだ。

 それは、本大会で勝てるチームを作るうえで、大きな一歩と言っていい。

 実際、1次合宿で追い込みすぎた結果、本番でコンディションが整わなかったのが、2014年のブラジル大会だった。

ブラジル大会の反省を…

長谷部誠コーチ
サッカー日本代表の長谷部誠コーチ【写真:編集部】


 アルベルト・ザッケローニ監督率いる当時の日本代表は、まず鹿児島県指宿市で国内合宿を張り、その後、アメリカ合衆国のクリアウォーターで第2次キャンプを実施。ベースキャンプ地のイトゥに入ったが、最初の指宿で猛烈な走り込みをしたことがマイナスに作用した。

 サプライズ招集された大久保嘉人も当時、「若手とかベテラン、国内組と欧州組に関係なく猛烈に走らされ、疲労が溜まった」と苦渋の表情を浮かべたことがあったが、調整方法に問題があったのは事実だろう。

 この時のメンバーを見ると、欧州でフル稼働していた岡崎慎司のように1シーズンをフル稼働した選手もいる一方、出場時間が限られていた香川真司、ケガ明けの長谷部誠や内田篤人らもいて、個々のコンディションは明らかなバラつきがあった。

 それに合わせた負荷をかけるべきだったのに、そういった調整が行われず、最高の状態を作れなかった。

 その反省を当時のキャプテン・長谷部コーチ、主力だった長友や吉田が確実に森保一監督にフィードバックしているはず。指揮官はそれを基に松本良一フィジカルコーチとも綿密なディスカッションを重ね、今回のプランを立てたに違いない。

 初日に参加した13人を見ても、右鎖骨骨折が完全に癒えていない鈴木唯人は対人メニューを回避。あくまで無理をせず、徐々に本番に備えていく様子だ。

「(滉もトミも)コンディションを上げるしかない」

吉田麻也
サッカー日本代表の吉田麻也【写真:編集部】


 上田綺世、渡辺剛や菅原由勢、佐野海舟、中村敬斗らにしても、長いシーズンを休みなくプレーしている分、疲れがたまっているのは間違いない。

 そうした状況を踏まえれば、まずはスローな調整を進め、アイスランド代表戦はチーム全体として70〜80%程度まで状態を引き上げられれば十分ではないか。

 アイスランド代表戦に関して言えば、長期離脱していた遠藤航や、代表から1年10カ月離脱した冨安健洋、昨年10月以降代表を離れている板倉滉がどこまでプレーできるのか、クラブで出番の少なかった長友や塩貝健人らがしっかりとしたパフォーマンスを見せられるかどうかも、重要なチェック項目となるだろう。

「(滉もトミも)コンディションを上げるしかないですね。準備ができなきゃ結局、本大会では結果を残せないから。彼らは経験のある選手たちなんで、上げていってくれるでしょう。まだ3週間ありますし」

 吉田は前向きにコメントしたが、本当に大切なのは、6月14日の初戦・オランダ代表戦で100%に近い状態に仕上がっているか否かだ。

 2010年の南アフリカ大会の松井大輔などは別メニューから事前合宿に突入したにもかかわらず、本大会ではトップフォームを維持。初戦のカメルーン代表戦で本田圭佑の先制点をアシストするという大仕事をやってのけた。

 その松井を見習って、鈴木唯人を含めたケガ人組には、じっくり焦らず実戦感覚を取り戻してほしいところだ。

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