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「左WGは本当に難しい」清水エスパルス、松崎快が明かす苦戦。本職外で得た“新たな感覚”とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 榊原拓海 photo by Getty Images
松崎快 清水エスパルス
清水エスパルスでプレーする松崎快【写真:Getty Images】



「左WGは本当に難しい」。そう語りながらも、清水エスパルスの松崎快は本職と異なるポジションで4試合を戦い抜いた。自らの特徴と求められる役割の”ギャップ”に苦しみながら積み重ねた経験は、彼の中に確かな変化をもたらしつつある。 明治安田J1百年構想リーグの最終順位が決まる次の一戦で、その葛藤はどのように結実するのか。(取材・文:榊原拓海)[2/2ページ]

吉田孝行監督も称賛「アラートさを持っていました」

小塚和季 清水エスパルス
先制点を奪った小塚和季【写真:Getty Images】


「ロングボールを蹴る時に、(ジェイソン・)キニョーネス選手を避けた場所の方が空中戦の勝算が高いということもあって、結果的に右サイドにボールが流れる回数が多かった部分もあると思っています」

 だが、仕上げの局面に顔を出すのは、このチームのWGに求められる重要なタスクのひとつ。「質はさらに高めたい」という本人の向上意欲は素晴らしいが、大前提として、あの場面に顔を出していたことに意味がある。

 加えて、最終的に小塚和季が奪った先制点も、オ・セフンが競り合った後のセカンドボールに松崎が反応したところから生まれている。

「松崎は、セフンが競り合った後のボールに対するアラートさを持っていました。チームとして狙い通りの形でした」との吉田監督の称賛が、清水の左WGに求められるプレーを遂行した何よりの証拠だ。

 そして、左WGとしてプレーを続けることで、松崎の中で見えてきたものもある。それは、結果や数字といった目に見える成果の部分ではなく、プレー感覚の変化だった。

「以前になかったものを出せている」

嶋本悠大 清水エスパルス
U-21日本代表に合流する嶋本悠大【写真:Getty Images】


「流れの中でハーフスペースに入った時のスムーズさなどについては、以前になかったものを出せている感覚はあります。左サイドのプレー全体への苦手意識みたいなものは、多少は減ってきました。そこはポジティブに捉えています」

 もちろん、現時点で完璧な左WGでないことは、本人が強く理解している。異なるポジションであれば、自らの“できること”をより色濃く見せられる自信もあるに違いない。

 元も子もないことを言ってしまえば、松崎の左WGはあくまで“応急処置”にすぎない。

 カピシャーバが戦線に戻ってきたこと、左IHで好調を維持する嶋本悠大がU-21日本代表に合流し、マリノスとの第2戦では不在となることなどを考慮すると、起用されるポジションが変化する可能性もある。

 早ければ、まさにJ1百年構想リーグの最終順位を決める次の一戦で別の役割を与えられるかもしれない。

 だが、松崎が左WGでもがいた経験は、今後の彼が、本職に戻った時にプレーの幅を広げる“肥料”となるはずだ。「選手としていろんなポジションができるに越したことはない」との思いを持ち、自らの中にある苦手意識と向き合いながら積み重ねた4試合は、決して無駄にはならないだろう。

(取材・文:榊原拓海)

【プロフィール】
1996年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。上智大学外国語学部イスパニア語学科卒。学生時代よりWEBメディアの編集業務にアルバイトとして携わり、2024年よりフリーランスとして活動。現在はサッカー専門新聞『エルゴラッソ』にて清水エスパルスを担当。同メディアを中心に、さまざまな媒体に寄稿している。

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