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コラム 6時間前

「みんな体が動いていなかった」ブラジルW杯の惨敗から12年。モンテレイ合宿を選んだ日本代表の狙いとは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by Etsuko Motokawa,Getty Images
サッカー日本代表、全体ランニング
モンテレイで事前合宿を行うサッカー日本代表【写真:元川悦子】



 FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)を目前に控え、日本代表はメキシコ・モンテレイで事前合宿を行っている。暑熱対策を最優先する今回の合宿だが、練習場変更など想定外の問題も発生。過去大会の教訓を踏まえた森保ジャパンの挑戦は、本番でどのような成果をもたらすのか。その狙いを探る。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]

北中米W杯へ向けた第一歩。モンテレイで始まった暑熱対策

サッカー日本代表、円陣
サッカー日本代表の選手たち【写真:元川悦子】


 FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)本番に向け、5月25日から始動している日本代表。まず31日のアイスランド代表戦までの第一次国内合宿を終え、6月2日からは事前合宿地のモンテレイに入っている。

 モンテレイはご存じの通り、20日に行われる第2戦・チュニジア代表戦の開催地。標高540メートルに位置しており、標高2240メートルの高地にあるメキシコシティに比べるとはるかに低い環境となっている。

 日本で言えば、標高600メートルの長野県松本市よりも少し低いくらいで、選手たちの心肺機能には影響はないだろう。

 ただ、6月初旬でも日中の最高気温は30度を優に超える暑さで、日によっては湿気もある。

 3日に初練習を行った後、伊東純也は「個人的にはこの温度だったら大丈夫かなと。もっと暑いのを想像していたので」と安堵感を吐露していたが、ここから気象条件がどう変化するか分からない。

 いずれにしても暑さに慣れていくのが、今回の主要テーマの1つと言っていい。

 環境面も整備されたアメリカとはかなり異なる印象だ。

 モンテレイ国際空港に到着すると、国際線用のバゲージクレームがわずか2レーンしかなく、ターミナルも手狭だった。

 今は工事中であるため、そうなっているのかもしれないが、14日のオランダ代表戦、25日のスウェーデン代表戦が行われるダラスのメイン空港であるダラス・フォートワース空港とは規模感がかなり違っていた。

相次ぐ誤算。森保ジャパンを悩ませる練習環境の問題

サッカー日本代表、森保一監督
サッカー日本代表の森保一監督【写真:元川悦子】


 そして、練習環境も当初使用を予定していた施設がピッチコンディションで使えなくなり、3日はセントロから西側にある施設で日本代表が初練習を実施。

 しかし、ここに関しても塩貝健人が「芝がよくないですね」と発言するなど、十分な環境とは言い難い様子だ。

 こうした事情もあり、4日のトレーニングはモンテレイ市街から1時間以上南に離れた別会場を使うことになった。

「最高の環境で最高の準備をしたい」と考える森保一監督だが、現時点では思い通りに事が運んでいるとは言い難い状況にある。

 ただ、このモンテレイで重要な第2戦を戦う以上、こうした想定外も乗り越え、着実にコンディションを引き上げていく必要がある。事前合宿の成否が本大会に影響するところは大いにあるからだ。

 直近の2022年カタールW杯は11〜12月の開催だったため、欧州組の面々はシーズン途中で大舞台に参戦することになった。

 インターナショナルウィークも2週間程度の短い設定だったため、日本代表は11月10日頃からドーハで始動。17日にUAEでカナダ代表とのテストマッチに臨み、23日の初戦・ドイツ代表戦を迎える形だった。事前合宿地に出向いて調整するということはしなかった。

過去の経験が物語る準備の重要性

2014年ブラジル大会でコートジボワール代表に逆転負けを喫したサッカー日本代表
ブラジル大会で惨敗を喫したサッカー日本代表【写真:Getty Images】


 だが、それ以前の1998年フランス大会、2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、2018年ロシア大会では、いずれも事前合宿地で調整を行った後、ベースキャンプ地へ入る形が取られていた。

 1998年のフランス大会では、事前合宿地のスイス・ニヨンが開催国フランスとほぼ同じ気象条件にあり、環境面で大きな問題はなかった。

 また、2010年南アフリカ大会では、高地での試合を見据えてスイス・サーズフェーをキャンプ地に選定。そこで高地順化を図った成果がベスト16進出という結果に表れた。

 そして、2018年のオーストリア・ゼーフェルトも非常に落ち着いた環境で、気象条件もピッチ状態も最高だった。

 そこでじっくり練習できたおかげで、西野朗監督体制がスタートしたばかりだった日本代表は良い形で大会に入ることができ、8強入りまであと一歩と迫ったのである。

 しかし、2014年だけは誤算が続いた。日本代表は鹿児島県指宿市での第1次キャンプの後、アメリカ・フロリダ州のクリアウォーターへ移動し、そこで事前キャンプを張った。

 気温自体はそれなりに高かったものの、メキシコ湾に面した海岸の町で、午後になると海風が吹く土地柄で、暑熱対策が効果的に進んだとは言えなかった。

 しかも、選手たちが宿泊したホテルの冷房が強すぎて、岡崎慎司が発熱するなど、体調を崩す選手が出てしまったのだ。

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