カタールワールドカップ(W杯)でPK戦の末に涙をのんでから1286日。日本代表は選手層、経験値、組織力のすべてを積み上げ、北中米W杯で史上最高成績を狙えるチームへと成長した。一方で、三笘薫の欠場という大きな不安材料も抱えている。歴代最強とも評される森保ジャパンは、世界最大の舞台で何を証明できるのか。オランダ代表との初戦を前に、その現在地を整理する。(文:ショーン・キャロル)[1/2ページ]
あの日の屈辱から…
オランダ代表戦が日本時間の15日(月)未明にキックオフを迎える頃、日本代表にとっては前回ワールドカップ(W杯)で味わった悲劇から1,286日が経過していることになる。
カタールW杯・ラウンド16のクロアチア代表戦で日本代表の3人のキッカーが失敗し、PK戦で敗れたあの日から、多くの時間が流れた。そして今の日本代表は、多くの面で北中米の舞台において歴代最高の成績を残せるだけの準備が整っているように見える。
森保一監督はチームを取捨選択しながら磨き、組織的で結束力のある集団へと作り上げてきた。その結果、数々の印象的な成果を残しており、今大会のダークホースと評価されるのも十分に納得できる。
もちろん、サッカーは紙の上で行われるものではない。そして、日本代表が歴史を作ろうとする中で、すべてが完璧というわけではない。
例えば、本来ならチームの中心となるはずの遠藤航と冨安健洋は、W杯直前になってようやく代表に復帰した。両者ともまだ試合勘を完全には取り戻しておらず、今後数週間でどれほど大きな貢献ができるかは未知数だ。
もっとも、彼らが長期間離脱していたことで、森保監督はそれぞれのポジションで代役候補を試す機会を得た。
数年前なら考えられなかったが…
佐野海舟はキャプテン遠藤の代役として十分以上の能力を示している。さらに田中碧も高い実力を持つことから、遠藤不在の影響は4年前ほど大きくはないかもしれない。
守備陣についても同じことが言える。
少し前までなら、冨安抜きで日本がこのレベルで戦うことは考えられなかった。しかし、カタール大会後に海外移籍を果たした谷口彰悟がさらに成長し、渡辺剛、瀬古歩夢、鈴木淳之介も信頼できる選択肢として台頭した。
伊藤洋輝や板倉滉と合わせて守備陣の層は厚くなっており、仮に冨安が万全でなくても、日本には堅固な最終ラインを構築するための駒が揃っている。
一方で、ごまかしようのない痛手が三笘薫の不在だ。
三笘薫不在で重要な存在になるのは…
当初の衝撃は薄れ、今ではより冷静に状況を見られるようになった。しかし、それでもブライトンのウインガーこそが、このチームで唯一真に代えの利かない存在だったという感覚は消えない。
誤解してはいけない。中村敬斗は非常に優秀な代役だ。
さらに久保建英、鈴木唯人、伊東純也、前田大然、塩貝健人といった選手たちがおり、森保監督が三笘を起用しようとしていた2列目には十分な創造性と得点力がある。その顔ぶれを見れば、日本がグループステージ敗退する16チームの一つになる可能性は低いだろう。
しかし、何もないところから決定機を生み出し、世界最高レベルの試合を決めることのできる三笘の能力は、トーナメントが進み、空気がより張り詰め、ミスの許されないノックアウトステージでこそ惜しまれるはずだ。
そこで重要になるのが鎌田大地である。
29歳の鎌田は三笘と同じく寡黙なタイプで、ピッチ上のプレーで語ることを好む選手だ。そして三笘と同様に、プレミアリーグで所属クラブのファンから愛される存在となっている。
その評価は、この1年でクリスタル・パレスのFAカップ優勝とUEFAカンファレンスリーグ(ECL)制覇に貢献したことでさらに高まった。
鎌田は中盤の低い位置から試合をコントロールすることもできれば、前線で決定的な仕事を果たすこともできる。前回大会では期待されたほどの活躍を見せられなかっただけに、今大会こそW杯の舞台に自身の名を刻む絶好の機会だ。



