
サッカー日本代表スタッフの若林大智氏【写真:藤江直人】
カタール大会で痛感した「反省」が、森保ジャパンの分析体制を大きく変えた。欧州王者セビージャで経験を積んだ若林大智氏、セットプレー分析を担う27歳の渡邉秀朗氏らが加わり、日本代表のテクニカルスタッフは4人体制へと拡充された。対戦国の文化や監督の思考、PK戦の傾向まで徹底的に掘り下げる彼らは、ワールドカップの舞台で何を見ているのか。ピッチ外で戦う“もう一つの日本代表”の実像に迫る。(取材・文:藤江直人)[2/2ページ]
27歳アナリストが担うセットプレー戦略

サッカー日本代表スタッフの渡邉秀朗氏【写真:藤江直人】
さらに2024年には、パリ五輪を戦ったU-23日本代表でテクニカルスタッフを務めた渡邉秀朗氏も加入した。
北海道教育大学岩見沢校から筑波大学大学院へ進み、分析分野を専門的に学んできた27歳は、相手チームのセットプレー分析を担当する。
4人のテクニカルスタッフは攻撃、守備、攻守の切り替えなど各局面を分担して分析。そのなかで渡邉氏はセットプレーという勝敗を左右する重要分野を担っている。
「実際にはもっと多くの試合を分析している感じですね。加えて監督が代わったチームのセットプレーはできるだけ詳しく見て、どのような流れでやっているのかを把握するようにしています」
1チームにつき最低30パターン以上を分析。PKやロングスローまで含めて徹底的に情報を洗い出していく。
試合中の“超特急仕上げ”へ

サッカー日本代表【写真:Getty Images】
北中米大会ではハイドレーションブレイクが導入される。わずか3分間の中で監督やコーチ陣が戦術的な修正を加える機会となるだけに、テクニカルスタッフにはこれまで以上のスピードと精度が求められる。
大会前の準備段階はすでに終わった。
膨大な情報を集め、整理し、必要なときにすぐ提供できる体制は整っている。
3大会目となる寺門氏、2大会目の中下氏、そして初挑戦の若林氏と渡邉氏。
森保ジャパン自慢の分析チームは、次なるフェーズとなる試合中の“超特急仕上げ”へ向けて、最後の準備を進めている。
(取材・文:藤江直人)
【著者プロフィール:藤江直人】
ふじえ・なおと/1964年、東京都渋谷区生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後の1989年に産経新聞社に入社。サンケイスポーツでJリーグ発足前後のサッカー、バルセロナ及びアトランタ両夏季五輪特派員、米ニューヨーク駐在員、角川書店と共同編集で出版されたスポーツ雑誌「Sports Yeah!」編集部勤務などを経て07年からフリーに転身。サッカーを中心に幅広くスポーツの取材を行っている。サッカーのワールドカップは22年のカタール大会を含めて4大会を取材した。
日本代表、オランダ戦のキックオフ時間や視聴方法は?
日本代表、やはり守田英正がいないとダメなのでは? 北中米W杯へ向けて不安。アイスランド戦で見えたボランチの限界
【グループリーグ組み合わせ一覧】FIFAワールドカップ2026
【了】
