「FWなら、得点王を目指さないでプレーする方がおかしい」。FIFAワールドカップ2026に臨む日本代表メンバーに選出された塩貝健人は、そう言い切った。大学を中退して渡欧し、途中出場で結果を積み重ねてきた21歳には、自らの武器と役割への確かな自信がある。なぜ、そこまで大きな目標を口にできるのか。次代のエース候補が、自らの現在地とW杯で着用するギアへのこだわりを語った。(取材・文:高橋大地)[2/2ページ]
「今はまだ、代表選手の一人に過ぎない」
2年前、横浜F・マリノスで強化指定選手としてプレーしていた塩貝は、大学を中退し、オランダへ渡った。
当時は、まだプロ契約すら結んでいない“アマチュア選手”だった。
塩貝自身、ここがターニングポイントだったと振り返っている。
「いろいろな人との縁だったり、思いを背負いながら行ったので。その経験があったからこそ、この2年間、海外できついことがあっても頑張れましたし、それが結果としてワールドカップメンバーに選出されたことにつながったと思います」と、ここ数年で目まぐるしく環境を変えてきた塩貝は語る。
「海外に行くタイミングで、サッカー部の監督にも話していたことを実現できたので、ある程度、責任は果たせたと思っています。でも、選ばれるだけでは意味がないと思うので、ここで結果を出して、自分の決断が間違っていなかったことを証明したい」
そう語る塩貝の瞳は、さらに先を見据える。
「今はまだ、代表選手の一人に過ぎないと思っています」
W杯メンバー入りを果たしてなお、塩貝は浮かれない。
目指しているのは、“選ばれた選手”ではない。「象徴的な存在」になることだ。
「ワールドカップは間違いなく特別な舞台ですし、みんなが見る大会です。1試合で、自分のキャリアを全部変えられる可能性があると思っています。だから、そこでしっかり結果を出したいです」
“代表選手の一人”で終わるつもりはない。
21歳のストライカーは、世界最高峰の舞台で、自分の価値を証明しようとしている。
(取材・文:高橋大地)
【プロフィール:塩貝健人(しおがい・けんと)】
2005年3月26日生まれ、東京都出身のFW。バディSC江東、横浜FCジュニアユース、國學院久我山高、慶應義塾大を経て欧州へ渡り、現在はドイツのヴォルフスブルクに所属する。高校時代から全国的な注目を集めたストライカーで、恵まれた体格を生かしたフィジカルの強さと高い得点力が持ち味。2024年には横浜F・マリノスの特別指定選手としてJ1デビューを果たし、その後NECナイメヘンを経てステップアップ。2026年には日本代表デビューを飾り、FIFAワールドカップ2026の日本代表メンバーにも選出された
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