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サッカーのルール改正は誰のため?北中米W杯で導入された新ルールが、また怪我人を増やす可能性も?

text by 編集部 photo by Getty Images

メキシコ代表対南アフリカ代表の試合のレフリー
カウントをするウィルトン・サンパイオ主審【写真:Getty Images】



 北中米ワールドカップが始まった。世界最高峰の選手たちが国を背負い、普段は見られない組み合わせで激突する4年に1度の大会は、世界規模の国際大会ならではの緊張感があり、普段のリーグ戦とはまた違う魅力に溢れている。そんな中で選手、視聴者ともに気をつけなければいけないのが、今大会からのルール変更だ。

新ルールが導入された北中米ワールドカップ


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 というのも今回のW杯から、試合のテンポを上げるための新ルールが導入されている。スローインやゴールキックで時間をかけすぎていると主審が判断した場合、5秒のカウントが始まる。交代する選手にも10秒以内にピッチを出ることが求められ、治療を受けた選手は一定時間ピッチ外に出なければならない。時間稼ぎを防ぎ、実際にプレーされる時間を増やすという意味では、見る側にとって歓迎されやすい変更だろう。

 しかし、選手にとってはどうか。スローイン、ゴールキック、交代、治療の時間は、単なる無駄な時間ではない。呼吸を整え、ポジションを確認し、わずかに身体を回復させる時間でもある。その隙間が削られれば、試合のテンポは上がる一方で、選手が休める時間は減っていく。

 それでなくとも、現代サッカーは、すでに過密日程の限界に近づいている。クラブW杯の拡大、代表戦、欧州カップ戦、国内リーグ、カップ戦。選手の年間試合数は増え、移動距離も増え、オフやプレシーズンは削られている。



 またコロナ禍をきっかけに5人交代制になったことも選手への負荷を高めた可能性がある。追加の交代枠は本来、選手の身体的負担を軽減し、負傷や肉体的な消耗を防ぐためのものだった。しかし米『ジ・アスレチック』に有名記者マイケル・コックスのコラム内では、5人交代制が選手への負荷に対して効果をもたらしたのか疑わしく、むしろ状況を悪化させたと指摘している。

 FIFAをはじめ様々な大会主催者が、試合をより面白く、よりスピーディーにしたい理由はわかる。今の時代、どのコンテンツもテンポが大事なことは百も承知だ。原則、試合のテンポアップには賛成である。一方でサッカー界の最大の資産である、選手たちを守って欲しい気持ちも強い。

 この夏、日本代表FW三笘薫の選外や、日本代表MF遠藤航の突然の代表離脱など、負傷によるトラブルが相次いだ。だからこそ、選手の疲労と怪我の問題は改めて考えたいテーマである。

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