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イタリアは日本代表を羨望の眼差しで見つめている。「日本が死ぬほど好きだ」高く評価されている理由【北中米W杯コラム】

サッカー日本代表 オランダ戦
オランダ代表と引き分けたサッカー日本代表【写真:Getty Images】



 かつて世界を席巻したサッカー大国イタリアは、今や日本代表を羨望の眼差しで見つめている。4度のワールドカップ優勝を誇りながら、直近3大会で2度も本大会出場を逃したアッズーリ。一方、日本は8大会連続出場を果たし、今大会も優勝候補オランダ相手に2度のビハインドを追いついて勝ち点1を手にした。イタリアのメディアやサッカー関係者は、この一戦をどう評価したのか。“落日の強豪”が見つめるサムライブルーの現在地を追った。(文:佐藤徳和)[1/2ページ]

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イタリアと日本の現状

オランダ代表対日本代表
8大会連続でW杯に臨んでいる日本代表。一方でイタリア代表は…【写真:Getty Images】



“かつての”サッカー強国、イタリアは、日出る国、日本を羨望の眼差しで見つめている。

 ドイツと並ぶ欧州最多4度のFIFAワールドカップ(W杯)優勝を誇るイタリアだが、直近3大会では2度にわたって本大会出場を逃し、今大会も出場権を得られなかった。

 最後に世界の頂点に立った2006年大会以降、2010年大会と2014年大会では本大会に出場したものの、いずれもグループステージ敗退。もはや“かつての強豪”と呼ばれても反論は難しいだろう。

 一方、日本は1998年フランス大会から8大会連続でW杯に出場。2018年ロシア大会からは2大会連続で決勝トーナメント進出を果たしている。

 2022年カタール大会では、イタリアにとっても因縁深いドイツとスペインを撃破。その快進撃は、まるで日本が自分たちの敵討ちをしてくれたかのような感情をイタリア人は抱き、日本に熱狂した。

“落日のイタリア”と“躍進する日本”。そのコントラストは極めて鮮明だ。

 そして今大会のオランダ戦である。

 日本は2度のビハインドを追いつき、強豪オランダ相手に2-2の引き分けへと持ち込んだ。

 イタリア公共放送『Rai』のW杯特番『Notti Mondiali』では、元イタリア代表FWで1982年スペイン大会優勝メンバーのフランチェスコ・“チッチョ”・グラツィアーニが、「忍者」と書かれた鉢巻を巻いて登場した(本人は「侍」と書かれていると思っていたようだ)。

 グラツィアーニは番組内で、「日本が死ぬほど好きだ。日本を応援する。カルロ・アンチェロッティが率いるブラジルを第2の祖国のように感じているが、私の思いは日本に向けられている。彼らは決して諦めない」と語った。

 グラツィアーニだけではない。少なからぬイタリア人が、今大会でも日本に熱い声援を送っているのである。

海外で巻き起こる日本ブーム


きれいに整理された日本代表のロッカールーム【写真:Getty Images】



 ここ数年、欧州では“日本ブーム”が起きている。

 イギリスやドイツ、フランス、そしてイタリアから多くの旅行客が日本を訪れているのだ。

 イタリア・メディア『GUIDA VIAGGI』によると、イタリアでも日本への関心は急速に高まり、2025年のイタリア人訪日者数は30万9400人で、前年と比べて34.6%増加したという。

 実際に都心の観光地を歩けば、必ずといっていいほどイタリア語が聞こえてくる。イタリア人旅行客の増加は日頃から実感していたが、これほどまでに増えていたことには驚かされる。

 もちろん、超円安の影響もあるだろう。InstagramやYouTubeの普及もあり、日本に魅了される人は年々増加している。

 片道13時間以上を要する長旅にもかかわらず、多くの人々が日本を訪れ、その魅力の虜になる。そして、まるで恋人との別れを惜しむかのように帰国していくのだ。

「またすぐに戻ってくるよ」そんな言葉を残しながら。

 歴史の中で育まれた「伝統文化」や、マンガやアニメをはじめとした「ポップカルチャー」に憧憬を抱くだけでなく、規律や秩序、寛容さといった精神性にも敬意を寄せ、日本を訪れる人は少なくない。

 それはサッカーの世界でもしばしば称賛される。

 整然と片付けられたロッカールーム、試合終了後にスタンドでゴミを拾う姿、オランダ戦後には、渋谷のスクランブル交差点で引き分けを喜ぶ人々の映像がSNSで話題となったが、「喜ぶのは信号が青の間だけで、赤になるときちんと立ち去る」と、その秩序ある振る舞いに賛辞が寄せられている。

 日常的に混沌とした社会の中で暮らすイタリア人にとって、日本の秩序だった日常はユートピアのように映るのだろう。

ストラマッチョーニが評価した森保ジャパン

サッカー日本代表
元インテル監督のストラマッチョーニも日本代表を称賛する【写真:Getty Images】



 40年前には、プロリーグすらなく、サッカー後進国であった日本。まるで漫画の世界のような夢物語の中を現実の世界で歩んでいる。

 多くのイタリア人を魅了した『キャプテン翼』の世界観と日本サッカーの歩みを重ね合わせながら、日本代表がまるで漫画の主人公たちのように着実な成長を遂げ、“世界一”という壮大な夢へ向かって進んでいく姿に共感を覚えているのかもしれない。

 かつてはアニメに憧れを抱く人が多かったが、今では日本のサッカーそのものにも強い関心や好意が向けられ始めているようだ。

 元インテルの指揮官で、日本代表DF長友佑都を指導した経験を持つアンドレア・ストラマッチョーニは、『Rai』にてこの試合の解説を務めた。

「試合後のベンチの喜び方を見てわかるように、日本はまるで勝利したかのようだ。2度もリードを追いついたのだからね。一方で、2度のリードを追いつかれたオランダは、少し不満気で、がっかりした表情をしている。

 オランダは、この試合で守り抜こうと考えたのだろうが、その策を取ったのは少し早すぎたように思える。その守備的な戦いを日本が上手くつけ込んだ。引き分けはふさわしい結果だ」

 さらに一夜明けて、『Rai』のラジオ番組『Radio anch’io sport』にも出演したストラマッチョーニは、「森保監督が率いるサムライブルーは、テストマッチでブラジル、イングランド、スコットランドを倒してこの大会にやってきたチームで、とても魅力的だ。好意を感じさせる」と言明。日本に好印象を抱いていることを明かしている。

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