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イタリアは日本代表を羨望の眼差しで見つめている。「日本が死ぬほど好きだ」高く評価されている理由【北中米W杯コラム】

サッカー日本代表 オランダ戦
オランダ代表と引き分けたサッカー日本代表【写真:Getty Images】



 かつて世界を席巻したサッカー大国イタリアは、今や日本代表を羨望の眼差しで見つめている。4度のワールドカップ優勝を誇りながら、直近3大会で2度も本大会出場を逃したアッズーリ。一方、日本は8大会連続出場を果たし、今大会も優勝候補オランダ相手に2度のビハインドを追いついて勝ち点1を手にした。イタリアのメディアやサッカー関係者は、この一戦をどう評価したのか。“落日の強豪”が見つめるサムライブルーの現在地を追った。(文:佐藤徳和)[1/2ページ]

「結果は偶然ではない」イタリア紙が見た日本の成熟

サッカー日本代表 中村敬斗
イタリア紙は日本代表を称賛する【写真:Getty Images】



 イタリアの新聞で2番目の売上げを誇る『ラ・ガッゼッタ・デッロ・スポルト』は、ロナルド・クーマン監督が指揮するチームに主眼を置きながら、「日本の粘り強さがオランダの歓喜を奪った。引き分けは妥当な結果だった」と総括した。

 サムライブルーが試合途中からプレッシャーを強め、クーマン監督の5バック移行によって日本がチャンスを増やしたことを評価している。

 イタリアの雑誌『Rivista Undici』は、日本の特集を組み、独自の視点でオランダ戦を検証している。

「オランダ戦は、日本の最高の才能を欠きながら、見事な戦いを見せた。結果は偶然ではない」

 そう評し、三笘薫と南野拓実を欠きながらも好パフォーマンスを見せたことを称賛した。

「この試合をどんな統計よりもうまく物語る一枚の光景がある。89分、同点ゴールを決めた鎌田大地の得点後、感情に突き動かされるように日本のベンチ全体がピッチへなだれ込んだシーンだ」

 同誌は、日本サッカーが長年築き上げてきた理念や文化、システムそのものへの祝福だったと位置付ける。

 さらに「近年、日本サッカーは組織力の高さによってその評価を築いてきた。2022年ワールドカップでのドイツ戦とスペイン戦の勝利は、サムライブルーがもはや単なるダークホースではないことをすでに証明していた」と続けた。

 そして、南野や三笘といったスター選手不在でも、日本の戦い方は揺るがないと評価している。

日本サッカーが辿り着いた一つの理想形

日本代表
「日本の組織力と忍耐力が、考え方の変化やサッカー原則の一貫性の欠如に対して打ち勝った勝利である」【写真:Getty Images】



 サッカーは国々の文化を映す鏡だと言われているが、今の日本代表の戦い方は、まさしく日本の冷静で秩序だった文化がサッカーの中に映し出されていると言えるのではないか。

 かつて、「日本のサッカーはどのようなスタイルを持つべきか?」という論争があった。

 しかし、今の森保ジャパンこそ、その一つの答えなのかもしれない。

 強豪を相手に2度もリードを許しながらも、戦い方が崩れず、動揺しないチームはそう多くない。

 日本のサッカーのストロングポイントだと言えるだろう。

 そして『Rivista Undici』は、「日本の組織力と忍耐力が、考え方の変化やサッカー原則の一貫性の欠如に対して打ち勝った勝利である」と綴った。

 日本のようなフィジカルで劣るチームが、細部を詰めた対策によってその差を埋めることができるとも語られている。

 この試合では、日本はオランダにスタメン平均身長で6.1センチも劣っていた。それでも知性や戦術を駆使し、最後まで抗った。

 日本は勝利こそ逃したが、その姿は大男ゴリアテに立ち向かったダビデにも重なる。

 神の御加護という意味でも、この一戦に限っては、日本に味方したのではないだろうか。

(文:佐藤徳和)

【著者プロフィール:佐藤徳和】
1998年にローマでの語学留学中に、地元のアマチュアクラブ「ロムーレア」の練習に参加。帰国後、『ポケットプログレッシブ伊和・和伊辞典』(小学館)の制作に参加し、イタリア語学習書などの編集、校正、執筆に携わる。2007年から、フリーランスとして活動し、主にイタリア・サッカー記事のライティングに従事。2014年には、FC東京でイタリア人臨時GKコーチの通訳を務める。IL ROMANISTA、日本特派員。『使えるイタリア語単語3700』(ベレ出版)、『イタリア語基本の500単語』(語研)を共同執筆。日伊協会では、カルチョの記事を読む講座を開講中。X:@noricazuccuru

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