フットボールチャンネル

スウェーデン代表の弱点はどこに? 日本代表が狙うべきポイント。オランダ代表が示した攻略の糸口とは【北中米W杯注目国分析】

シリーズ:北中米W杯注目国分析 text by 河治良幸 フリーライター photo by Getty Images
スウェーデン代表
第3戦で日本代表と対戦するスウェーデン代表【写真:Getty Images】



 グループリーグ突破を懸けたスウェーデン代表戦を目前に控える日本代表。アレクサンデル・イサクや、ヴィクトル・ギェケレシュら世界屈指の攻撃陣を擁する難敵だが、オランダ代表との一戦には攻略のヒントも隠されていた。日本が突くべきポイントとは何か。スウェーデンの強みと弱みを徹底分析する。(取材・文:河治良幸)[1/2ページ]

5失点の裏にあったスウェーデンの課題

スウェーデン代表
オランダ代表戦で5失点を喫したスウェーデン代表【写真:Getty Images】


 グループリーグ突破をかけて、第3戦で日本代表が挑むスウェーデン代表が侮れない相手であることは、今さら言うまでもない。

 ただし、日本が2-2で引き分けたオランダ代表に1-5で敗れた試合を観ても、しっかりと分析してプレーに反映すれば、十分に攻略できる相手であることも確かだ。

 最も大きなポイントは、強力な2トップと守備組織のバランスだろう。アレクサンデル・イサクとヴィクトル・ギェケレシュは世界最高峰のストライカーと言っていい。

 両者とも個人で局面を打開できる能力を持ち、少ないチャンスからでも得点を奪うことができる。

 ただ、その一方で守備時には前線に残る傾向があり、オランダ戦では前線のプレスと後方の守備ブロックが分断される場面が少なくなかった。

 日本代表の選手たちもその傾向を感じ取っている。実際、オランダは最初のプレスラインを越えた後、中盤のスペースを使って何度も前進に成功していた。

 特に攻撃の司令塔であるフレンキー・デ・ヨングは、プレッシャーを受けない状態で前を向き、攻撃の起点となっていた。日本も佐野海舟や鎌田大地が同様のエリアでボールを受けられれば、攻撃の主導権を握れる可能性は高い。

日本が活かしたいサイドの優位性。狙うべきは…

スウェーデン代表
オランダ代表に攻め込まれるスウェーデン代表【写真:Getty Images】


 さらに目立ったのが、守備ブロックの横移動の遅れだった。スウェーデンは5-3-2、あるいは4-3-3の形で守る時間帯があったが、どちらの形でもボールサイドへ人数を集める傾向が強い。その反面、逆サイドへのスライドが間に合わず、サイドチェンジによって前向きでボールを受けられる場面を何度も作られていた。

 オランダは左右への展開を繰り返しながら守備陣を揺さぶり、サイドの選手が仕掛ける状況を生み出した。日本も中村敬斗や堂安律を活かすためには、同様に相手を片側へ引き付けてから素早く逆サイドへ展開する形が有効になりそうだ。

 また、5バック攻略の観点では、センターバック(CB)同士の間や3センター脇のスペースにも狙い目がある。

 オランダは、そのスペースへランニングを繰り返しながら守備ラインを押し下げていた。背後への対応も決して安定していたとは言えない。

 オランダの先制点と追加点は、いずれも最終ラインの背後を使われた形から生まれている。スウェーデンのCB陣は、空中戦や対人守備には強さを持つが、ラインコントロールや方向転換を伴う対応には不安を残した。

 オランダ戦を映像で観たという後藤啓介が指摘するように、日本としては単純なスピード勝負というよりも、斜めのランニングや緩急を使った飛び出しが有効になるだろう。

 前田大然や伊東純也といった推進力のある選手だけでなく、中盤からの飛び出しも重要な武器になる。

世界屈指の攻撃陣をどう抑えるか

スウェーデン代表 アレクサンデル・イサク、ヴィクトル・ギェケレシュ
スウェーデン代表FWアレクサンデル・イサク(左)、ヴィクトル・ギェケレシュ(右)【写真:Getty Images】


 一方で、攻撃面の警戒は欠かせない。

 スウェーデンは守備組織に課題を抱えているものの、前線の個の能力は世界トップクラスだ。イサクとギェケレシュに加え、ベンジャミン・ニグレンなど、一人で局面を変えられる選手が揃っている。

 ただし、オランダ戦では個人能力に依存する場面も目立った。三人目のランニングはそれほど多くなく、守備組織を整えられると攻撃が単発になりやすい傾向も見られた。シュート数こそ多かったが、それが継続的な波状攻撃につながる場面は限られていた。

 日本としては個々の対応だけでなく、チーム全体の距離感を保ちながら守ることが重要になるが、そこで警戒したいのはクロス攻撃だ。

 スウェーデンはシンプルながら質の高いクロスを供給できる選手が多く、そこにイサクやギェケレシュが飛び込む形は大きな武器となっている。

 オランダも流れの中では抑えながら、クロスが入った瞬間には何度か危険な場面を作られていた。GK鈴木彩艶にとっても、シュートストップだけでなくクロス対応やロングボールへの判断が重要になる試合になりそうだ。

(取材・文:河治良幸)

【著者プロフィール:河治良幸 フリーライター】
東京都出身。サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で日本代表を担当し、プレー分析を軸にグローバルな視点でサッカーの潮流を見続ける。セガ『WCFF』の選手プロフィールを担当。著書に『勝負のスイッチ』『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』『サッカー番狂わせ完全読本ジャイアントキリングはキセキじゃない』がある。X:@y_kawaji

【関連記事】
日本代表、スウェーデン代表戦のキックオフ時間や放送予定は?
英国人が見た日本代表「ブラジルもモロッコも勝てる! でも選ぶなら⋯」
【岩政大樹が語る】日本代表の過去と今を比べても意味がない。「強豪国の仲間入りをしたような…」「日本サッカー全体の勝利」

『フットボールチャンネル』でサッカー最新情報を見よう!
いち早くチェックしたい方は下記リンクから↓↓


【了】

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!