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「それが今の日本代表の答えなんじゃ…」ブラジル代表相手に再認識した現在地。4年後へ向けて取り組むべき課題とは【北中米W杯コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by Shinya Tanaka,Getty Images
北中米W杯 決勝トーナメント1回戦 ブラジル×日本 試合後挨拶する日本代表
ブラジル代表に敗れたサッカー日本代表【写真:田中伸弥】



 世界との差は、どこにあったのか。ブラジル代表との一戦は、日本代表にとって単なる敗戦ではなく、自分たちの現在地を突きつけられる90分間だった。堂安律、田中碧、そして若い世代の選手たちが語った言葉の中には、4年後の2030年大会へ向けて取り組むべきテーマが詰まっている。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]

「今いるメンバーが衰えない限りは…」

サッカー日本代表 久保建英
サッカー日本代表 久保建英【写真:Getty Images】


 今回が2度目のW杯だった25歳の久保は「現状だと、僕の下の世代が4年後に何人もW杯メンバーに入っているかと言われたら、ここから急激に今いるメンバーが衰えない限りは同じなんじゃないですかね」とかなり厳しい発言をしていたが、それを跳ね返すくらいの怪物が出てくるのが理想的だ。

 今回は2028年ロサンゼルス五輪世代の塩貝健人と後藤啓介の2人がピッチに立ったが、彼らが中心となって2005年生まれ以降の世代が次々と代表入りするような形になれば、少しは状況も変わってくるのではないか。

 もちろん次の代表監督がどういうビジョンを持って強化に当たるか次第で人選も変わってくるはずだが、塩貝と後藤にはこの大会に出た経験値を同世代に還元していく責務がある。

 今大会の練習を見ていても、やはり最年長の39歳・長友佑都を筆頭に、板倉滉、小川航基、堂安律といった選手たちが雰囲気を盛り上げていて、2000年以降生まれの若手たちはあまりにも静か。「俺は成り上がってやる」という姿勢を押し出していたのは塩貝くらいで、若手の活力が足りない印象もあった。

「試合中は声を出しますけど…」

日本代表DF鈴木淳之介
サッカー日本代表 鈴木淳之介【写真:Getty Images】


「自分はもともとテンションを上げすぎると、上がりきっちゃうタイプ。試合中は声を出しますけど、まあいろんなタイプの人がいると思うので。

 自分の出しているものを出して、ぶつけて返ってきたものを大事にしたい。自分たちがスタメンになって試合に出るようになれば状況も変わると思います」と鈴木淳之介は発言。

 今後はピッチ上での結果に強くこだわっていく構えだが、彼らがチーム全体のことを見る余裕を持てるようになれば、若手の追い上げも加速していくのかもしれない。

 いずれにしても、4年後は遠いようであっという間。9月には新体制最初の日本代表活動が始まり、2027年1月にはアジアカップもある。そこで頭抜けたインパクトを残すような新たな戦力が出てきて、チームを活性化してくれれば、4年後に明るい希望も見えてくるだろう。

 今大会で突きつけられた「個の力の不足」に徹底的に取り組んでいくことが、5度挑戦して突破できなかった決勝トーナメント1回戦を勝ち上がるための早道ではないか。

 選手たちには北中米W杯で感じたことを脳裏に刻んで、ここからのキャリアに活かしてほしいものである。

(取材・文:元川悦子)

【著者プロフィール:元川悦子】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。

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