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「ブラジルがノルウェーに負けたのは…」板倉滉が痛感した日本代表の現在地。主将が描く4年後への道筋「それだけじゃダメだと…」【北中米W杯コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by Etsuko Motokawa
サッカー日本代表DF板倉滉(イベントKCP)
サッカー日本代表DF板倉滉【写真:元川悦子】



 ブラジル代表戦での敗退から2週間。日本代表のキャプテンを務めた板倉滉が、当時の胸の内を明かした。自身が主催するイベントで子どもたちと交流した後、キャプテン就任時に感じた重圧や、4年後へ向けた決意を率直に吐露。その言葉の端々からは、敗戦を経て見つめ直した日本代表の現在地と、さらなる高みを目指す覚悟がにじんでいる。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]

「それがあったうえで…」

サッカー日本代表DF板倉滉(イベントKCP)
サッカー日本代表DF板倉滉【写真:元川悦子】


「ただ、それだけじゃダメだということもこのW杯で見せつけられたのは事実です。個の成長は絶対に必要。それがあったうえで、一体感を継続できれば、日本はもっと上にいけるんじゃないか。僕はそう思います」と板倉は自らに言い聞かせるように語っていた。

 実際、日本を破ったブラジルはラウンド16でノルウェーに1−2で敗戦。そのノルウェーも準々決勝でイングランドに1−2で敗れ去った。日本が掲げた優勝はもちろんのこと、まだ到達していないベスト8がどれだけ遠いのかを板倉自身も再認識したのではないか。

「ブラジルがノルウェーに負けたのはすごい悔しさを感じました。勝ち上がれなかったのは自分たちの責任ですけど、僕らは優勝を目指すという目標設定を変えちゃいけない。

 自分自身も力不足を痛感してますけど、そこを目指して、個にフォーカスしてやっていかないといけないといけない。その重要性を今、強く感じています」と彼の目はいち早く4年後に向いていた。

 板倉自身はアヤックス残留が有力視されるが、去就はまだ正式には決まっていない。イベントに参加した谷口、冨安、菅原の3人も身の振り方が定まっていない。来季の所属先がハッキリしている日本代表の主力級選手は、クリスタル・パレスとの契約を延長した鎌田大地くらいで、全体的に今後の動向が不透明になっているのだ。

 そういう中でも、自分にできることをコツコツとやっていくしか成長はない。板倉もそういう自覚を持っているに違いない。

「今後どうなるかは…」

サッカー日本代表DF板倉滉、菅原由勢(イベントKCP)
サッカー日本代表DF板倉滉【写真:元川悦子】


「自分は近々、(オランダに)戻ると思いますけど、今後どうなるかはまだ分からない部分があります。ただ、どこにいても、ケガをせずに試合に出続けることがすごく大事ですね。今思うと、昨季は自分の中で結構キツいシーズンだった。

 それを今はポジティブ変換できているので、その経験を生かしてケガをせずにやっていけたらと思います」

 彼がこう語るのも、W杯を控えたシーズンに長期間リハビリを強いられる苦境を味わったからだろう。そしてW杯本番の重要なスウェーデン戦(ダラス)でも左太もも裏の違和感を訴えて交代を余儀なくされている。

 間もなく30歳の大台を迎える選手にとって、つねにベストパフォーマンスを発揮できるコンディションを維持することは非常に重要な命題。板倉はそこにも挑みながら、個のレベルアップも実現しなければならないのだ。

 もちろんハードルは高いが、今回のイベントで数多くの子供たちから得たエネルギーを力にして、自分を奮い立たせていくしかない。我々は板倉の新シーズンの動向をまずは注視していくべきだろう。

(取材・文:元川悦子)

【著者プロフィール:元川悦子】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。

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