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「結果を残さないと何も始まらない」明本考浩がFC町田ゼルビアで目指すもの。欧州で進化を遂げた男がもたらす経験「実際に海外へ行って…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by Getty Images
FC町田ゼルビア 明本考浩
FC町田ゼルビア 明本考浩【写真:元川悦子】



 ベルギーで約2年半にわたってプレーし、2023年には浦和レッズの一員としてAFCチャンピオンズリーグ(ACL)制覇も経験した明本考浩が、FC町田ゼルビアに加入した。欧州で培った経験を武器に、アジア王者とJ1初制覇を目指す新天地で新たな挑戦に臨む。この男の加入は、町田にどのような化学変化をもたらすのか。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]

「みんなが特徴を出し合って…」

FC町田ゼルビア 明本考浩
FC町田ゼルビア 明本考浩【写真:元川悦子】


「2人ともキャラクターがよくて、本当に明るくて、すでに馴染んでいますし、クオリティもすごく高い。黒田(剛)監督も言ってましたけど、今はいい食材をいっぱい揃えた分、あとはいい調理をして、整えていくことが大事。みんなが特徴を出し合って一つになっていけたら優勝も目指せると思います」

 日本代表経験者もこう語気を強めたが、明本も自分の強みである強度や推進力、攻守両面のハードワークを前面に押し出していくべき。ベルギー仕込みの世界基準を持ち込んで、町田の左サイドを活性化することが、彼に託された重要タスクと言っていい。

 練習を見ていても、明本とシャドーの松尾、相馬がポジションを入れ替えながら迫力を持って攻めに出ていくシーンが何度か見られた。そこに3バック左を主戦場とする中山雄太らが絡んでさらに厚みを出していけば、J1最高レベルの左サイドの関係性が完成しそうだ。

 彼らが演出したチャンスを、最前線のテテ・イェンギやデューク、シャドーの一角を占めるエリキ、西村拓真らが仕留められれば、自ずとゴール数も増えていく。J1制覇、ACLE優勝にも近づいていくに違いない。

「代表というのは目標ですけど…」

ルーヴェンからFC町田ゼルビアに加入した明本考浩
ルーヴェン時代の明本考浩【写真:Getty Images】


「町田は相馬選手とか中山選手といった日本代表経験のある選手が何人もいますし、その選手たちからいろんなものを吸収しなきゃいけないと僕自身、思っています。彼らから受ける刺激は大きいですし、もっともっと成長できるという手ごたえも感じています。

 僕は本当にタイトルを取るためにこのチームに来ましたし、そこにフォーカスしてプレーしたい。チームで掲げている優勝というのが目標ですし、個人としてもアシスト、ゴールというところを求めていきたいと思っています」と明本は新天地で大きなインパクトを残しつつ、浦和時代に経験した場所に戻る覚悟だ。

 年齢的には28歳だが、これから新たな日本代表が始動することを考えれば、さらなる高みを目指すことも必要だろう。今回の北中米ワールドカップ(W杯)に参戦した谷口彰悟も30代から代表に定着し、2022年カタール、2026年北中米の両大会に出場した。

 昨今は選手寿命も伸びているだけに、30歳目前の選手が大化けすることも大いにあり得る。強靭なフィジカルとタフさを持ち合わせたこの男なら、ここから見る者を驚かせるような軌跡を辿ることも夢ではなさそうだ。

「自分も代表というのは目標ですけど、まずこのチームで結果を残さないと何も始まらない。そこからですね。僕も久々のJリーグなので楽しみですし、個の迫力をもたらせるところを示したい。このチームはシャドー含めていい選手が沢山いるので、そこをうまくサポートしていけたらいいと思います」

 浦和時代とは異なる印象を与えてくれそうな明本考浩。彼の加入によって、町田にどのような化学変化が起こるのかは非常に興味深いところだ。まずは3週間後の開幕・FC東京戦に向けて、最高の状態を作り上げてほしいものである。

(取材・文:元川悦子)

【著者プロフィール:元川悦子】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。

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