
松本山雅FC 金子翔太【写真:元川悦子】
かつてJ1の舞台で存在感を放った松本山雅FCは、現在5シーズンにわたってJ3での戦いを強いられている。再浮上を目指すクラブに今夏加わったのが、清水エスパルスやジュビロ磐田などでプレーした金子翔太だ。百戦錬磨の石崎信弘監督とともに、経験豊富なアタッカーがチームの再建に挑む。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
「山雅が上がるためには…」

松本山雅FC、石崎信弘監督【写真:Getty Images】
「金子翔太は技術が高いですし、戦術理解度も高いので、トップ下がいいのか、シャドーがいいのかを見つつ、いろんなバリエーションができていけばいいのかなと思います」と石崎監督も話したが、相手が嫌がる位置取りでチャンスメーク、フィニッシュに関わり、チームを勝利へと導いてくれれば理想的である。
「山雅が上がるためには、全員が勝つためのプレーを選択できるか、相手の嫌なことができるかが一番大事だなと思っています。ここの選手はみんなタフだし、走れる。アルウィン(本拠地のサンプロ アルウィン)のサポーターの声援もアドバンテージですし、J3ですけど環境はすごくいい。条件は本当に揃っているなと改めて感じます。
だからこそ、あとは選手がピッチで表現するだけ。勝負の際のところとか、全員が相手の嫌なことを攻守にわたってやれるようになれば、昇格に近づいていくと思います」と背番号11をつける男は毅然と言う。
幸いにして、この甲府戦は村上、樋口大輝、高野のゴールで3-0で勝利。格上・甲府がキャンプ疲れでコンディションが悪かったのも幸いし、白星で機運を高めることができた。
「僕自身が経験を…」

金子翔太【写真:Getty Images】
しかしながら、本当の勝負は8月8日の高知ユナイテッドSC戦から始まる26/27シーズンのJ3リーグだ。
今季はJ2から降格してきた鹿児島ユナイテッドFCやレノファ山口FC、ロアッソ熊本が加わったほか、百年構想リーグで好調だった高知、相模原、FC岐阜なども侮れない。夏開幕という過去にないシーズンということもあり、どのチームが上位に食い込むのか全く分からないのだ。
「甲府戦はうまくいきましたけど、これからうまくいかない時間帯もあるだろうし、相手に対策されたり、プレッシャーがハマらない時もある。そこでどういうリアクションを起こせるかが大事。今のチームは若い世代も多いので、僕自身が経験を伝えられたらと思います」
こう意気込む金子ら年長者に対し、石崎監督も「今いるベテランは真面目ですし、チームにいい影響を与えてくれている」と前向きに言う。
その期待に応えるべく、圧倒的な存在感を示し、昇格請負人として躍動する金子翔太の一挙手一投足を楽しみに待ちたいところだ。
(取材・文:元川悦子)
【著者プロフィール:元川悦子】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。
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