
ボルシア・ドルトムント 山本天翔【写真:Getty Images】
18歳でドイツの名門・ボルシア・ドルトムントへの挑戦を決断した山本天翔。今夏のジャパンツアーでは、世界屈指のビッグクラブで自身の可能性を示した。しかし、欧州で成功をつかみ、トップチームに定着するまでの道のりは決して平坦ではない。多くの海外挑戦経験者からの助言も胸に、ガンバ大阪のアカデミーが育んだ若き才能は、異国の地でどのような成長を遂げていくのか。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
「山本君みたいなプレースタイルだと…」

セルティックでのプレー経験を持つFC東京 稲村隼翔【写真:Getty Images】
「言語は一番大事。それは過言ではない。山本君みたいなプレースタイルだと、なおさらそこは大事にした方がいいと思います」とアドバイスを送っていた。
確かに、セルティック時代の稲村の先輩・前田大然(イプスウィッチ)のように絶対的武器を持つアタッカーなら周りが合わせてくれるだろうが、最終ラインやボランチの選手はそうはいかない。
山本ももともとはボランチで、今回のジャパンツアーではシャドーで使われていたが、「万能型のMF」という位置づけだけに、周りとの連係は不可欠だ。山本はまだドイツに渡ったばかりで、ドイツ語はもちろん、英語の意思疎通もレベルアップが求められるはずだ。
そのうえで、ヌメチャやベリンガムとも渡り合えるフィジカル強化、スピードアップを図り、さらに唯一無二の武器を磨くという作業をしていくことになるのだから、本当に大変だ。それができてこそ、“第2の香川真司”になれるのだろう。
海外挑戦の先にある日の丸

ボルシア・ドルトムント 山本天翔【写真:Getty Images】
ドルトムントのような名門へのステップアップを思い描きながら、ドイツ2部で長くプレーすることになった室屋成は「今は日本人のクオリティをみんなが認めてくれているので、よりやりやすい環境でプレーできるとは思います」と前向きにコメントした。
そのうえで「(佐藤)龍之介もそうですけど、若い選手がどんどん海外で活躍して、日本代表を強くしてほしいですね」という願望も口にした。
山本が室屋から直接、言葉を贈られたかどうかは分からないが、多くの海外挑戦経験者の思いも背負って、ここから本格的に異国でのキャリアを形成していくことになるのだ。
山本が多くの人々を驚かせるような成長曲線を辿り、近い将来、日の丸をつけて日本を勝たせてくれるようになれば理想的。ロス五輪世代を率いている次期日本代表指揮官・大岩剛監督もそれを願っているはずだ。
ガンバのアカデミーから世界へ羽ばたいた稲本潤一、本田圭佑、鎌田大地、堂安律らの系譜を継ぐべく、山本には名前の通り、天に向かって飛翔していってほしいものである。
(取材・文:元川悦子)
【著者プロフィール:元川悦子】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。
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