
アンダー世代からA代表にのぼり詰めた監督【写真:Getty Images】
日本サッカー協会は7月23日、U-21日本代表を率いる大岩剛氏が2027年3月からA代表監督に就任することを発表した。かつては森保一監督も年代別代表で指揮を執った経験を持ち、育成年代で選手たちと関係を築いた指導者がA代表へ昇格する流れは、日本サッカー界において一つの強化モデルとなりつつある。今回は、日本と同じように育成年代からA代表へ昇格し、母国を大舞台で躍進させた指揮官たちを紹介する。[2/5ページ]
モハメド・ウアビ(モロッコ)

モハメド・ウアビ監督【写真:Getty Images】
生年月日:1976年9月7日
現職:モロッコ代表監督
【U-20W杯の優勝監督】
2030年のFIFAワールドカップ開催国であるモロッコ代表は、国家レベルでの強化策でも注目を集めている。2025年に開催されたU-20W杯では初優勝を飾り、育成年代から着実に成果を積み重ねている。
同大会で指揮を執ったのが、今年3月にA代表監督へ内部昇格を果たしたモハメド・ウアビだ。北中米W杯ではボール保持を軸にチームを構築し、ベスト8進出へ導くなど、前回大会でみせた堅守速攻型のスタイルからさらなる進化を遂げた。
長年にわたりアンデルレヒトのユースチームなどで指導経験を積んできたウアビは、2022年3月にモロッコU-20代表監督へ就任。2025年のU-20アフリカネイションズカップで準優勝を果たすと、同年に行われたU-20W杯ではモロッコを史上初の優勝へと導いた。
2026年1月に開催されたアフリカネイションズカップ後、ワリド・レグラギ監督が退任を表明すると、その後任としてA代表監督へ昇格した。
【A代表にも多数の教え子を招集】
3月の初陣では、FWジェシム・ヤシンやFWヤシル・ザビリらU-20W杯優勝メンバーを初招集。さらに、MFサミル・エル・ムラベトをはじめ、年代別代表時代から指導してきた選手たちを多数選出し、若手のA代表定着を推し進めた。
これは、自国開催となる2030年大会を見据えたモロッコサッカー連盟の長期的な強化プロジェクトに沿った人事と言える。育成年代から一貫した哲学を共有する指揮官と選手たちによって、アフリカ勢初のW杯優勝という目標に向け、モロッコは新たな一歩を踏み出している。