
アンダー世代からA代表にのぼり詰めた監督【写真:Getty Images】
日本サッカー協会は7月23日、U-21日本代表を率いる大岩剛氏が2027年3月からA代表監督に就任することを発表した。かつては森保一監督も年代別代表で指揮を執った経験を持ち、育成年代で選手たちと関係を築いた指導者がA代表へ昇格する流れは、日本サッカー界において一つの強化モデルとなりつつある。今回は、日本と同じように育成年代からA代表へ昇格し、母国を大舞台で躍進させた指揮官たちを紹介する。[3/5ページ]
リオネル・スカローニ(アルゼンチン)

リオネル・スカローニ監督【写真:Getty Images】
生年月日:1978年5月16日
現職:アルゼンチン代表監督
【アルゼンチンに黄金期をもたらす】
アルゼンチン代表は長きにわたり、国際大会のタイトルから遠ざかっていた。その暗黒期に終止符を打ったのが、現代表監督のリオネル・スカローニだ。
2006年のFIFAワールドカップ(W杯)ドイツ大会で選手としてメンバー入りを果たした同氏だが、指導者へ転向して以降、クラブチームを率いた経験はなかった。
2018年のロシアW杯では、セビージャ時代から共闘していたホルヘ・サンパオリ監督のアシスタントコーチとしてA代表に帯同。同大会終了後にはU-20代表の指揮を執ることになった。
その一方で、サンパオリ監督の退任を受け、2018年8月にはA代表の暫定監督に就任。当時のアルゼンチンサッカー協会は財政的な問題を抱えており、実績豊富な監督を招聘するだけの資金的な余裕がなかったことから、内部昇格という形でスカローニにチャンスが与えられた。
【大正解だった内部昇格】
幼馴染でもある元アルゼンチン代表FWパブロ・アイマールやDFワルテル・サムエルをアシスタントコーチに迎えた新体制は徐々に機能し、同年11月には正式にA代表監督へ就任。その後も元代表キャプテンのロベルト・アジャラをスタッフに加えるなど、自身の指導者としての経験不足を、歴代のレジェンドたちの知見で補う体制を築いた。
その後の成功は言うまでもない。北中米W杯では決勝でスペイン代表に敗れたものの、2度のコパ・アメリカ(南米選手権)制覇、そして2022年のカタールW杯優勝を達成。長らくアルゼンチン代表で主要タイトルに届かなかったリオネル・メッシに、3つの国際大会のトロフィーをもたらした。