
東京ヴェルディでプレーする溝口修平【写真:Getty Images】
8月14日の柏レイソル戦、東京ヴェルディは林尚輝の先制弾を守り切れず1-3で逆転負け。鹿島アントラーズから武者修行中の溝口修平はサッカー日本代表経験者・久保藤次郎に苦しみ、3失点目にも絡んだ。「鹿島の基準を分かっている自分がこういうやられ方をしちゃいけない」。厳しい表情で振り返った22歳が、新天地で直面した守備の課題に迫る。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
「それをこの柏戦で改めて強く感じました」

選手を鼓舞する東京ヴェルディサポーター【写真:Getty Images】
ただ、鹿島の4バックとヴェルディの3バックは攻守のバランスも違えば、タスクも全く違う。城福監督の下ではタッチラインを全てカバーするくらいのダイナミックな走りを見せ、攻守両面に絡んでいかなければいけない。
その適応に戸惑いつつも、開幕・川崎戦では自身のよさが出て、初ゴールという結果を残すことに成功した。が、柏戦では逆に難局に直面する形になった。そこを乗り越えていくことが、溝口に課された大きな命題なのだ。
「自分はもっともっと成長しなきゃいけない。それをこの柏戦で改めて強く感じました。今、ヴェルディはケガ人が続いていますし、苦しい状況ですけど、自分が勝たせられるような存在にならないといけないと思います」
毅然と前を見据える22歳の若武者には「鹿島にとどまっていたらよかった」という迷いは一切ないようだ。
今季開幕前、安西が2025年に続いて負った左ひざ前十字靱帯損傷と診断されたことが発表された際には、「鹿島は溝口をレンタルに出さなければよかった」という声も聞こえてきた。
だが、当の本人は「幸輝くんのケガがすごく心配ですね。彼にとっても計り知れないものがありますから。でも自分は決断してここに来たので、ただただ心配という気持ちだけです」と先輩を慮るだけだった。
今は完全にヴェルディの一員という自覚を持って、勝利のために全力を尽くそうとしているのだ。
となれば、結果で示すしかない。ヴェルディはここからファジアーノ岡山、鹿島、ヴィッセル神戸、セレッソ大阪と難しい相手との試合が続いていく。
鹿島戦に溝口は出場できないが、この連戦で勝ち点を積み上げていくためにも、溝口ら選手一人ひとりが小さな綻びを作ることなく、高いレベルで連動していくことが肝要だ。
「ここで食らいついていきたいですね」と目をギラつかせた鹿島育ちのレフティの一挙手一投足を興味深く見守っていきたいものである。
(取材・文:元川悦子)
【著者プロフィール:元川悦子】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。
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