
柏レイソル所属DF古賀太陽【写真:Getty Images】
柏レイソルが東京ヴェルディ戦で先制を許しながらも3-1の逆転勝利を収め、開幕2連勝を飾った。1年半ぶりにキャプテンへ復帰した27歳DF古賀太陽は、相手に予兆を感じさせない縦パス一本から勝ち越しゴールを演出。熊坂光希や渡井理己の復帰が生んだチームの変化についても語った。(取材・文:菊地正典)[1/2ページ]
明治安田J1リーグ第2節
東京ヴェルディ 1-3 柏レイソル
MUFGスタジアム
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「予兆」のない古賀太陽のキーパス

東京ヴェルディ対柏レイソルの模様【写真:Getty Images】
局面を動かすときほど、古賀太陽からは“雰囲気”を感じない。
フィールドプレーヤーの最後方から攻撃を司るようにキーパスを送るのが特長であるが、何かを起こしそうにない雰囲気、あるいはゆったりとした動きから、急に鋭いパスが放たれる。キーパスを送る予兆を感じにくいのだ。
「ああ、何か分かりますよ」
ホームの三協フロンテア柏スタジアムで水戸ホーリーホックに2-1で勝利した2026/27シーズンの明治安田J1リーグ開幕戦後にそう伝えられた4番は、大きな口を横に広げながらこう続けていた。
「脱力感は大事にしています。雰囲気が出ていると相手も対応しやすいでしょうし、脱力しながら相手に感じ取らせないような運び方やモーションは意識しています」
145日にMUFGスタジアムで行われたJ1第2節、東京ヴェルディ戦はまさにそんなプレーが複数の得点を生み出した。
立ち上がりの25分に先制を許した柏レイソルは、その96分後に同点に追いつく。きっかけは、古賀の縦パスだった。相手に寄せられながら、まるで焦りも、これから大事なパスを送るような雰囲気もなく、前方にパスを送る。
後方でのゆったりとボールを回していたのが嘘のように、そこから一気に局面が動き出した。
「イメージどおり」だった逆転劇

柏レイソルでプレーする遠藤渓太(写真右)【写真:Getty Images】
小泉佳穂のターンからの右斜め前方へのパス、サイドを広く取った久保藤次郎の内側へのパス、3バックの右ながらボランチのように振る舞う原田亘の前方への落とし、後方から原田を追い越しながらトップスピードで自陣から敵陣ペナルティーエリア内に侵入した中川敦瑛のドリブル――。
最終的にはこぼれ球を拾った遠藤渓太がルーレットからミドルシュートを決めたのだが、その弾道と同じように一連の攻撃の流れは美しかった。
さらに1-1で迎えた65分。3バックの中央、つまりフィールドプレーヤーの最後方でプレーしながら後半開始から敵陣に立つことが多かった27歳のセンターバックは、原田からのパスを受けると歩きながらのキープから急に縦パスを送った。
それから、大ケガから約1年ぶりに復帰した渡井理己がワンタッチパスでつなぎ、渡井とともに途中出場した瀬川祐輔がターンしてミドルシュートを決める。
その間、わずか5秒。キーパスからあっと言う間に逆転ゴールが決まった。
「まあ、どちらの流れもイメージどおりではありました」
まるで自身が描いた道筋のようなゴールだったと感想を伝えると、出場停止明けの24年9月14日・ジュビロ磐田戦以来、リーグでフルタイム出場を続けているセンターバックは、笑いながら答えた。
「でも、今日は何だろう……」
そう言って少しだけ間を空けつつ、古賀は試合を思い出すように斜め上を見ながら続ける。
「2025年に戻ってきている」大きな要因

柏レイソルでゲームメイクを担う小泉佳穂【写真:Getty Images】
「みんながライン間に良い立ち位置を取ってくれていましたし、スピーディーにゴールに直結させられたというのはすごく収穫だと思います」
それこそが柏の攻撃の特長であるはずだが、なかなかそうもいかなかったのが地域ラウンドを10チーム中8位で終え、プレーオフを経て最終順位を15位で終えたJ1百年構想リーグだった。
起点になるはずの自身のパスが思うように得点につながらない。自身のパスで相手の最前線、次のプレーで2列目を突破できても、そのあとにチャンスが潰える場面が続いた。次第に自身のパスから得点が生まれるイメージが湧かなくなった。
「全体のポジションバランスだと思います」
そう言いながら、苦しんだ4カ月間を振り返る。
「佳穂くんなり、シャドーの選手のプレーエリアが低かった。ライン間に降りたシャドーがターンしてゴールに直結させられるようなボールを供給できなくて、相手のブロックの外で佳穂くんがボールを触るとか、そういう場面が多かったと思います。でも、今はその辺りが2025年に戻ってきている」
その大きな要因として、熊坂光希や渡井理己の復帰を挙げる。
彼らを含め、いまピッチに立っている選手にアクシデントが起こる可能性があり、そうなったときのためにチームとしてのベースの積み上げが重要であると説きながらも、25年J1ベストイレブンに選出されたセンターバックは、彼らの存在の大きさを改めて感じている。