
柏レイソル所属DF古賀太陽【写真:Getty Images】
柏レイソルが東京ヴェルディ戦で先制を許しながらも3-1の逆転勝利を収め、開幕2連勝を飾った。1年半ぶりにキャプテンへ復帰した27歳DF古賀太陽は、相手に予兆を感じさせない縦パス一本から勝ち越しゴールを演出。熊坂光希や渡井理己の復帰が生んだチームの変化についても語った。(取材・文:菊地正典)[2/2ページ]
相手に脅威を与え続けた“それぞれがいるべき場所”

柏レイソルの3点目を決めた久保藤次郎【写真:Getty Images】
「チームから言われなくても標準装備で備わっているというか、その質が1段階、2段階上の選手たちなんですよね」
この試合の得点を振り返っても、1点目の際に熊坂が最終ラインに降りてきているため、小泉はその前にポジションを取れていた。2点目は全体が押し込んでいる状態ではあったが、渡井は瀬川とほぼ並ぶ位置に立っている。
3点目は縦に速い攻撃ながら、古賀からボールを受けた中川のパスが右斜め前、瀬川のパスが左斜め前、弓場堅真のラストパスが右斜め前と、いずれも相手が対応しにくい角度のついたパスになっていた。相手の脅威となる組み立ては、それぞれがいるべき場所に立っているから実現できるのだ。
さらに、東京V戦では水戸戦の課題も1つクリアできた。
水戸戦は前半に2点を先行しながらも、後半に1点を失った上に主導権を握れない苦しい時間が続いた試合を何とか逃げ切っている。
試合後、古賀は下がり過ぎたラインや強度の低下に加え、もう一つ後半の戦いの課題について口にしていた。
「夏のきつさはあると思いますけど、前半に比べてみんなの足が止まっていると感じました。もっとボールホルダーに対して適切なパスラインを作る動きをしていかなければいけない」
自身は前半から、前に左右に長短のパスを送り、チームが相手を押し込む要因を作っていたが、終盤は縦パスを奪われる場面が複数回続いた。
終盤に見られた開幕節からの改善

東京ヴェルディ戦のあと、サポーターに挨拶をする柏レイソルの選手たち【写真:Getty Images】
「そこは本当に状況によって選択しないといけないし、ゲームをコントロールするという意味で適切な判断が必要。ただ、適切な判断するためにも全体のポジションが必要なんです」
対して東京V戦は終盤もボールを保持しながら時間を使った。
「今日は相手もコンパクトでしたし、外回しでもとにかく相手を走らせることを意識していたので、それが結果につながったと思います。それに、マサ(渡井)や途中から入ってきた選手たちがサボらずにポジション取り続けてくれた。だからこそああいう時間帯に自分たちがボールを保持し続けられたと思います」
自身はチームがボールを保持する中、90+3分には斜め前にポジションを上げた斜めの鋭いパスを送り、90+4分にはボールを受けに降りてくる渡井に縦パスを刺す。思うように足が動かない中でも何とかボールを奪おうとする相手の矢印だけでなく、心も折るようなプレーだった。
チームは開幕2連勝となった。開幕3連敗となったJ1百年構想リーグはもとより、2試合で1勝1分だった25年以上の好スタートだ。
「百年構想リーグでは良い流れでスタートする大切さを痛感したので、まだまだ課題はありますけど、勝って次に進めるのはポジティブです」
ほのぼのとした笑顔はいつもと変わらない。それでも、1年半ぶりにキャプテンを務める古賀の言葉には、確かな手応えと自信があふれていた。
(取材・文:菊地正典)
【著者プロフィール:菊地正典】
福島県出身。埼玉大学卒業後、当時、日本最大級だったサッカーモバイルサイトの編集・ライターを経て、フリーランスに。主にサッカー専門新聞『EL GOLAZO』の記者として活動し、横浜FC、浦和レッズ、ジェフユナイテッド市原・千葉、横浜F・マリノス、川崎フロンターレの担当記者を歴任。著書に『浦和レッズ変革の四年 〜サッカー新聞エルゴラッソ浦和番記者が見たミシャレッズの1442日〜』(スクワッド)、『トリコロール新時代』(スクワッド、三栄書房)がある。Xのユーザー名は@masanorikikuchi
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