
ジュビロ磐田 川合徳孟【写真:Getty Images】
明治安田J2リーグ第2節、ジュビロ磐田は横浜FCに1-3で敗れ、開幕2試合を1分け1敗とした。その一戦で、19歳の副主将・川合徳孟はリーグ戦で初めてフル出場。いま問われているのは、試合に出られるかではなく、勝利に何をもたらせるかだ。「プレーでしっかりチームを引っ張っていきたい」。乾貴士との連係に手応えを得る若きアタッカーが、国立での90分で感じた現在地を追う。 (取材・文:河治良幸)[2/2ページ]
19歳副主将が示すリーダー像。「プレーでチームを引っ張る」

ジュビロ磐田 川合徳孟【写真:Getty Images】
乾から学ぶ判断や駆け引きは、川合自身の言う「決め切る力」にもつながってくる。もちろん、19歳一人にチームの問題を背負わせることはできない。
磐田は秋田戦で先制しながら追加点を奪えず1−1。横浜FC戦では前半から相手を制圧できず、プレスのかけ方にも迷いが見えた。
秋葉監督が求める球際、切り替え、ハードワークをさらに高めるのは大前提として、相手の配置に対して誰が出るのか、ボールを奪った後に前へ出るのか、一度落ち着かせるのかといった共通理解も深めなければならない。
それは選手のメンタリティだけで解決するものではなく、日々のトレーニングやミーティング、選手間のコミュニケーションを通じて積み上げていく必要がある。
ただ、チームが完成してから若手が活躍するわけではない。
チームが完成していない今だからこそ、川合のような選手が成長しながらチームを前へ進めることも求められる。本人が口にした言葉が、その意識を象徴している。
「自分は声とかで引っ張っていくタイプじゃないんで。プレーでしっかりチームを引っ張っていきたい」
声で周囲を鼓舞するリーダーではなくてもいい。ボールを受けて前を向き、一人をかわす。
相手の守備を引きつけて味方を生かす。そして自らゴールを奪う。そうやって「プレーで引っ張る」ことはできる。
百年構想リーグでは出場機会を争っていた19歳が、今では開幕からスタメンに入り、リーグ戦で初めて90分を任された。
しかし、川合自身が見ているのは出場時間ではなく、勝利に何をもたらせたかだ。
開幕2試合で勝利のない磐田にとって、修正点は少なくない。
その中で川合が乾から何を吸収し、自らの仕掛けをゴールへ結びつけられるか。
「期待される若手」から「チームを勝たせる選手」へ。
国立での90分は、その現在地を突きつけた一戦だった。
(取材・文:河治良幸)
【著者プロフィール:河治良幸 フリーライター】
東京都出身。サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で日本代表を担当し、プレー分析を軸にグローバルな視点でサッカーの潮流を見続ける。セガ『WCFF』の選手プロフィールを担当。著書に『勝負のスイッチ』『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』『サッカー番狂わせ完全読本ジャイアントキリングはキセキじゃない』がある。TwitterIDは@y_kawaji
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