
ジュビロ磐田 川合徳孟【写真:Getty Images】
明治安田J2リーグ第2節、ジュビロ磐田は横浜FCに1-3で敗れ、開幕2試合を1分け1敗とした。その一戦で、19歳の副主将・川合徳孟はリーグ戦で初めてフル出場。いま問われているのは、試合に出られるかではなく、勝利に何をもたらせるかだ。「プレーでしっかりチームを引っ張っていきたい」。乾貴士との連係に手応えを得る若きアタッカーが、国立での90分で感じた現在地を追う。 (取材・文:河治良幸)[1/2ページ]
月額最安値で視聴するならDMM×DAZNホーダイ[PR]
【2026/27明治安田J2リーグ第2節】
8月16日 横浜FC 3-1 ジュビロ磐田
(MUFGスタジアム)
「経験を積む若手」から「チームを勝たせる選手」へ

ジュビロ磐田 川合徳孟【写真:Getty Images】
2025年にプロデビューした19歳の川合徳孟にとって、2026/27シーズンはこれまでとは違う意味を持つシーズンになりつつある。
ジュビロ磐田のアカデミーで育った川合は、明治安田 J2・J3百年構想リーグで、激しいポジション争いの中で出場機会をつかもうとしていた。
プロ2年目となる今季、19歳ながら副主将に任命された。
就任時には、クラブ公式サイトで「年齢に関係なく、まずは自分自身がピッチの上で責任あるプレーを示し、チームに良い影響を与えられる存在になりたいと思います」と、抱負を語っている。
そして、秋葉忠宏監督の新体制では開幕から2試合連続でスタメンに名を連ねた。
そんな中で迎えたホーム開幕のブラウブリッツ秋田戦では、67分間プレー。5万3973人を集客したMUFGスタジアムでの横浜FC戦では、百年構想リーグを含めてリーグ戦で初めて90分間ピッチに立ち続けた。
ただ、その一戦を勝利で終えることはできなかった。磐田は横浜FCに1−3で敗れ、開幕から1分1敗。
横浜FC戦では判定を巡って磐田側にフラストレーションの残る場面があったことも事実だが、それを差し引いても、現時点における両チームの完成度の差が内容と結果に表れた試合だった。
その90分をピッチの中で体感した川合も、率直に認めている。
「上回られていた時間帯もあったと思います」
だからこそ、19歳にとって意味のある90分だったと言える。今季の川合は、もはや「若いから経験を積めばいい」という立場ではない。
開幕からスタメンを任されている以上、自らのプレーでチームを勝利へ近づけることが求められる。
前進させるだけでは足りない。問われた「決め切る力」

ジュビロ磐田 秋葉忠宏監督【写真:Getty Images】
横浜FC戦の前半、磐田は相手のビルドアップや配置に対して思うようにプレスをかけられず、ボールを奪っても前へ急いで再び失う場面が目についた。
秋葉監督がハーフタイムに「雷を落とした」と明かしたほど、本来目指している「超攻撃的、超アグレッシブ」な姿を出せなかった。
川合も、その難しい流れの中にいた。それでもボールを持てば自ら仕掛け、相手をかわして前へ運び、ゴールへ向かおうとする。
チーム全体が停滞する時間帯でも、一人で局面を前進させられるところは川合の大きな魅力だ。
川合はこの試合で3本のシュートを放った。90分にはペナルティーエリア中央からゴールを狙ったが、ボールは左へ外れた。
しかし、前進させる力を得点へ変え切れなかった場面は、本人が口にした課題とも重なる。
「本当に最後は自分の判断ですけど、結果的にどっちがいいのかという。自分的には決め切る力というのは足りないと思うので」
自分で仕留めるのか、味方を使うのか。アタッキングサードまでボールを運ぶだけなら、川合はすでに一定の能力を示している。
ここからスタメンとしてチームを勝たせる選手になるためには、そのプレーをゴールやアシストという結果につなげなければならない。
19歳の現在地を考える上で、ここは非常に重要だ。これまでは「試合に出られるか」という競争だった。
それが秋葉体制になって、開幕からピッチに立つ立場になった。
評価基準も当然変わる。いいプレーをしたかではなく、勝利に何をもたらしたのか。
横浜FC戦で初めてリーグ戦の90分を経験したことは、その責任を実感する機会にもなったはずだ。
そして現在の川合には、成長する上で格好の教材がすぐ近くにいる。乾貴士だ。
乾貴士から学ぶ“ちょっとしたところ” 「ボールの持ち方とか…」

ジュビロ磐田 乾貴士【写真:三原充史】
横浜FC戦では後半開始から乾が投入され、川合と近い距離でボールに関わった。川合も2人の関係について手応えを感じている。
「距離感はすごく意識していますし、いい距離感でできているので、やりやすいです。そういう関係性はどんどん良くなってきているので、本当にゴールにつなげられれば」
これは川合だけの感覚でもない。乾もプレシーズンマッチの静岡ダービー後、川合について「すごいやりやすくて」と語り、「徳孟自身はすごくいい選手なので、のびのびできるように、自分がサポートしていけたら」と高く評価していた。
ボールを受ける場所を見つけ、相手を見ながら立ち位置を変え、狭い局面でも前を向く。そうした感覚を持つ2人だけに、距離が近くなれば自然とコンビネーションも生まれる。
川合にとって何より大きいのは、乾のプレーを同じピッチで体感できることだろう。
「ボールの持ち方とか、相手を見てドリブルコースを変えたりとか、そういうちょっとしたところというのは、近くで見られている」
川合にもドリブルで相手を外し、前へ運べる力がある。
だからこそ、乾が相手の重心やポジショニングをどのように見ているのか、その上でボールの置き所やドリブルのコースをどう変えているのかという「ちょっとしたところ」を吸収する価値は大きい。
フィジカルやスピードを一気に変えることはできなくても、判断や駆け引きは日々のトレーニングから磨いていける。