5連敗。今季J1に復帰したジェフユナイテッド千葉はまだ暗いトンネルの中を歩き続けている。最後の最後で敗れたファジアーノ岡山戦、緊急出場した田口泰士はアシストという目に見える結果を残したが、チームを連敗脱出に導くには至らなかった。その試合後、見えない光を探すように口にした思いとは。(取材・文:石田達也)[1/2ページ]
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「まだまだ個人戦術のところを含め…」
試合の最終盤で熱戦に決着を付けるゴールが決まる――。
17年ぶりにJ1へ帰還したチームの勝点が、手のひらからこぼれ落ちていった。
小林慶行監督は「もちろん勝点1は最低でも取りたかったゲームだったと思っています」と切り出し、続けてこう振り返った。
「ジャッジのところも含めて、致命的なミスが出れば、そこは逃してくれないというシーンが今回も出てしまった。もちろん、それも含めて自分自身が作っているチームなので、そのまま自分自身の鏡だと思っています。まだまだ個人戦術のところを含め、チームとしても、しっかりと上げていかなければ難しい、そういうゲームだったと思います」
ジェフユナイテッド千葉は、対戦相手や状況に応じて4バックと3バックを併用しているが、この日はファジアーノ岡山に合わせ3バックを採用し、果敢に前線からプレッシングをかけマンツーマンの攻防に挑んだ。
両者は立ち上がりからアグレッシブなプレーを披露するが、徐々に岡山が前進。両サイドを起点にボールを出し入れしながらクロスを上げ、シュートに結びつけていく。
千葉に我慢の時間が続いたが、それでも16分、CKのこぼれ球を石川大地がボレーシュートを放ち、21分にはエリソンがペナルティーエリア左からシュートを狙っていくなど、傾く流れを引き戻しにかかる。
その直後にはGKからのロングフィードが千葉の最終ラインの間にこぼれてナ・サンホがペナルティーエリア内に侵入するも、これを全速力で追いかけた喜田陽がスライディングで対応。失点を防ぐファインプレーでもあった。
緊急出場の田口泰士が大仕事「和樹とは…」
しかし、31分に岡山がスコアを動かす。自陣から送られてきたループ気味のパスをレオ・ガウショがダニエル・ホールと競り合い、ゴール方向に力強く抜け出すと、そのまま右足で打ち抜かれた。
その後の34分、千葉にアクシデントが発生した。喜田がCKを蹴ると、立ち上がれずにしゃがみ込んだ。ベンチは田口泰士にウォーミングアップを命じ、急きょ背番号4がピッチに投入される。
「しっかり試合に入ろうと思っていました。それぐらいですかね」と、経験豊富なベテランは首を前後左右に振り状況判断に努めるとゲームの流れに乗っていく。
1点を追いかける千葉は41分、田口の右足が田中和樹のゴールを呼び込んだ。狙いすましたロングボール一発で岡山の最終ラインを超えるとスピードで抜け出た田中が左足を振り抜き、1-1の同点とした。
1本のパスでチームを動かす。そのタイミングも心得ている田口は「今日の試合に限らず、今シーズンに限らず、(田中)和樹とは長い間、一緒にやってきているので、アイコンタクトでよく目が合って、あの場面もですが、いつも常に狙っているところなので上手くいきました」と振り返り、加えて「和樹のストロングっていうのはああいう部分だし、あいつの特長を生かせるパスを僕は意識しています」と続けた。
一方、2戦連続弾を撃ち込んだ田中は「(得点は)瞬間のプレーだったので、あまり覚えていない」と言い、田口からのパスについては「来る、という感じでした」と、阿吽の呼吸が生み出したものであったことを口にした。
「同じような失点ばかり」で致命的な敗戦
田中の得点で活力を得た千葉は、後半、構えた守備からカウンターを狙う。
その中で、田口は時にはボールを動かし、時には人を動かす。次の予測をしてポジショニングを取り、状況判断の速さを見せる。しかし、シュートシーンを作り出せないまま時間は経過し、終盤へと突入する。
そして90+4分に自陣でのFKを跳ね返され、ルカオから神谷優太にボールが渡るとホセ・スアレスとの1対1を制した神谷に右足で流し込まれて失点。そのままタイムアップを迎えた。
意地の一発を期待したサポーターの願いはため息へと変わっていった。ひと押しが出ないままゴールは遠く、1点差での連敗である。
田口は自分自身にも目を向けながら吐き捨てるように言葉を発する。
「最悪です。同じことを何回も繰り返しているので、同じような失点ばかりです。学ばなきゃいけないです」
それは仕方がないことかもしれない。チームは、この日も敗れてリーグ戦5連敗。もったいない失点を繰り返していることも、その理由の一つだろう。
試合終了後、キャプテンマークを巻き先頭に立ってスタンドに挨拶にいくと、これまで声援で後押しをしてきたサポーターからはブーイングが飛んだ。



