
移籍が実現しなかった欧州日本人選手たち【写真:Getty Images】
欧州サッカーにおいて、日本人選手の地位は向上し続けている。欧州5大リーグだけで見ても30人以上の選手が在籍し、今夏も多くの選手が欧州クラブへ移籍を果たしている。しかし、その中には移籍の噂があがったものの、結局実現とはならなかった選手もいる。今回は、移籍が期待されたが、現在も残留し同じクラブで戦い続ける欧州日本人選手をピックアップして紹介する。[2/5ページ]
MF:福井太智(ふくい・たいち)

アロウカ所属の福井太智【写真:Getty Images】
生年月日:2004年7月15日
所属クラブ:アロウカ
25/26リーグ戦成績:33試合4ゴール3アシスト
【バイエルンに電撃加入】
ドイツの名門に認められた才能には、今夏ステップアップのチャンスが訪れていた。
サガン鳥栖の下部組織出身である福井太智は、2021年にトップチームデビューを果たした。育成年代では無双状態であり、翌年3月に鳥栖とプロ契約を結んでいる。
そんな鳥栖期待の星に対して、ドイツの名門であるバイエルン・ミュンヘンが同選手の獲得に乗り出した。日本人では宇佐美貴史以来2人目の在籍となり、福井は2023年冬にバイエルンへと加入しセカンドチームでプレーした。
同選手の主戦場はボランチであり、セカンドチームでダブルボランチのコンビを組んだアレクサンダル・パブロビッチは、ドイツ代表の中盤を支える選手へと成長した。
福井もパヴロビッチに負けず劣らず、ドイツ4部で存在感を発揮し、トップチームデビューも果たした。しかし、ライバルがトップチーム定着を果たした中で、日本人MFにはその席は与えられず、ポルティモネンセへのレンタル移籍を余儀なくされている。
同クラブへのレンタル期間が終了した2024年夏にはポルトガルリーグのアロウカへと加入。福井は新天地で結果を残し、完全移籍での加入となった2年目の昨季には、リーグ戦33試合4ゴール3アシストをマーク。抜群の展開力と推進力で試合をコントロールするゲームメーカーとして、リーグで一定の地位を築いた。
【18億円でスペイン上陸のはずだったが…】
すると、スペインのラージョ・バジェカーノがこの活躍に目をつけ、獲得の噂が上がるように。同クラブは、昨季UEFAカンファレンスリーグ(UECL)準優勝を果たした実力あるクラブだ。ここ数年は資金難にあえいでいたが、複数の主力選手を放出したことで福井獲得の資金を捻出することができた。
ポルトガル複数メディアはラージョと選手側が交渉段階に入っていると報じ、8月中旬には契約締結まで秒読み段階となっていた。
しかし、この交渉はこれ以上進展を見せなかった。ラージョは総額1000万ユーロ(約18億円)のパッケージを用意したが、その内のボーナスの割合をめぐって交渉が難航。結局、8月が終わり移籍市場が閉幕しても、福井移籍の一報は伝えられなかった。
今夏の移籍は叶わなかったが、同選手は気持ちを切り替え今季3勝1敗と好発進を切ったチームの主力として躍動している。自身の存在価値を示すため、福井は今季もポルトガルの地で成長を続ける。