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J1 7時間前

「生き残りました」。ヴィッセル神戸の飯野七聖が度重なるケガを乗り越えて「目の前の1試合で自分にできることを」【コラム】

シリーズ:コラム text by 高村美砂 photo by Getty Images

ヴィッセル神戸 飯野七聖

ヴィッセル神戸の飯野七聖【写真:Getty Images】



 ケガを繰り返す中で、ヴィッセル神戸の飯野七聖は「パッと出た試合で結果を残す」ことの重要性を実感してきた。今季も負傷による離脱を経て8月に復帰すると、J1で3試合連続の先発。再びピッチに立ち続けるために、飯野はいま何を考え、どんな準備をしているのか。(取材・文:高村美砂)[2/2ページ] 

今度こそシーズンを通して戦うために「力を抜くところ、入れるところを考えて」

ヴィッセル神戸 飯野七聖 第5節・東京ヴェルディ戦では16分の髙橋壱晟のゴールを演出するなど、2得点に絡む活躍

新加入のサイドバック・髙橋壱晟と右サイドで良い縦の連係を見出している飯野七聖【写真:Getty Images】


「これが良いことなのかはわからないですけど、ケガとの向き合い方、ケガをした後の向き合い方、コンディションの持っていき方はなんとなく自分で確立できてきたので。また、自分の良さはすべてのプレーを100%でやることだとわかりつつも、それによって逆に力が入りすぎてうまくいかなかった時期もあった経験をもとに、中に切れ込んでいくタイミング、裏に抜けるタイミング、プレスにいくスピードや質といったすべてを上げすぎずに、でもポイントでは確実にキレを出すことも必要だと考えるようになった。

 そういう頭の部分が整理できたことが自分の力の使いどころを整理することにもつながって、プレーのメリハリみたいなところが出てきた気もする。もちろん、本音を言えばすべてをフルでいきたいところですけど、体を酷使するプレースタイルだからこそ、それだとなかなかフルシーズンを戦っていくのは難しいな、という考えにちょっとずつ変わってきています。この先もトレーニングを重ねながら、試合での力の使いどころというか…調整するということではなく、力を抜くところ、入れるところを考えて、展開を読んでプレーしていこうと思っています」

 シーズンを通して稼働しながら、最後の最後に仲間とともに笑っている自分を見出すためにも、だ。

「ヴィッセルが優勝したシーズンを振り返っても、うちは仲良しこよしのチームではない。良い意味でミスをしても誰も助けてくれないからこそ、本当に一人一人がプライドを持って、自分のやるべきことに100%時間を注いで試合に向かい、結果を出しているし、逆に出せなければ脱落していく。

 そういう厳しさの中で進んできたチームで、それはもうここ数年で確立してきたヴィッセルのスタイル、強さだと思うので。だからこそ僕を含めた全員が人一倍の自覚を持って取り組まなければいけないと自覚しているし、今シーズンもその意識で進んでいくことが最後、良い結果につながると思っています」

 思えば、冒頭に書いた長崎戦の試合後、取材エリアに現れた飯野は“アシスト”について問われ、開口一番「生き残りました」と口にしている。ひとつ結果を刻んでも、また次へ。息もつかせぬ競争は、飯野を、神戸を確かに強く育んでいる。

(取材・文:高村美砂)

【著者プロフィール:高村美砂】
雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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