「道脇豊はもっと…」
――残り時間はわずかです。
「もう横山の個の打開くらいしかない感じ」
――89分、永野修都のゴールで日本が追加点です。
「まあよかった。永野はFC東京に戻ってから全然試合に絡めてないけど、藤枝MYFCで槙野(智章)監督に指導を受けて成長しましたね」
――そうですね。槙野は監督として良いスタートを切りましたね。
「今も北原(槙)を上手く使っていますよ。彼はしゃべれるから伝えるのがうまいんだと思う。品川CCセカンドで指導し始めた時に見に行ったけど、その時からそうでしたよ。永野は槙野に憧れていたみたいで、意欲を持ってプレーしていました。藤枝で」
――試合が終わりました。2-0で勝利しました。いかがでしたか?
「攻めあぐねた印象が強いですね。2-0で勝って勝ち点3を確実に取ったのは大きかったけど。得点を誰が取るかというのが、今後の課題かな」
――最も印象に残った選手は誰でしょうか。
「印象に残った選手…点を取った石井と永野は仕事をしたとは思いますが、やっぱ横山ですかね。個の打開力は魅力だし、今後ゴールもついてくれば、海外、A代表も見えてくるでしょう。お兄さんの歩夢より体が大きいし、スケール感がある」
――ただ、全員ここからより状態をあげていきたいというところでしょうか。
「次のキルギス戦も欧州組は来ないし、その後の23日も市原(吏音)とか出られるか分からないから、今いる選手たちが状態を引き上げて、連係面も高めていく必要があるかなと。どういう大会でも初戦は難しいし、相手があれだけ引いてきたら攻略の難易度は上がるけど、それでも決められる点取り屋がほしいかなと」
――道脇にはなかなかチャンスがなかったですね。
「道脇はU-17W杯の頃はもっとスケールの大きなFWになると期待ありましたけど、その後のベフェレンで活躍できず、日本に戻って、福岡で出られなくて今、いわきFCなので、ここで壁を超えないとこのままになってしまいます。もったいない人材なので、ここできっかけをつかんでほしいです。
もちろんいわきFCでゴールを量産したら今後も呼ばれるでしょうけど、世界基準のFWになるためには、本当に今が大事。上田綺世はこの世代からグングン伸びたから、どこかで何かをつかめばという感じです。この大会ノーゴールで終わってしまうと自信を失いそうだから、彼も危機感を強めているでしょう」
――そうですよね。なかなかJリーグでも出れていない選手も多いわけですし、全員が燃えているはずです。
「自国開催なんで、これまでのアジア大会よりは力が入っているはずだし、ここで勝てば評価も上がるわけだから、選手たちは野心を持って突き進んでほしいですね。野心ギラギラっていう選手を沢山見たいです」
――本日はありがとうございました。
▽語り手:元川悦子
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2026年北中米大会まで9回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。
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【了】


